隠れ鬼【ＷＴ】 (ページ23)

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きりやんside
攻め込むことは成功した。
これからどうするか...。
？「きりやん。」
きり「！誰だ！」
俺と似たような声が聞こえてとっさに後ろを向き警戒態勢をとる。
そこに立っていたのは俺とよく似た男性。
もしかして...俺の父親？
父親「そうだ。」
きり「何の用だ？」
父親「決まっているだろう？殺しに来た。」
父親はナイフを構えて俺に突っ込んできた。
俺は体をひねって回避する。
シャークんに教えてもらっていて助かったな。
安心したのもつかの間、さらに連続攻撃が俺を襲う。
父親「どうした？よけるだけでは俺に勝てないぞ？」
きり「うるせえ！」
ナイフをナイフで受け止め、はじき返す。
父親「へえ、強くなったじゃねえか。」
しゃべり方までそっくりだ。そんなことを認めたくなくて。
きり「いつまでも父親面してんじゃねえ！この殺人犯！」
父親「お前だって殺したくせに？」
確かに俺は人を殺した。
けど、それはお前とは状況が違う。
きり「ああ、俺だって殺したさ！だけどお前とはわけが違う！」
父親「訳が違っても殺人をしたのには変わりないだろう？」
きり「そんなの知らねえ！」
俺は持っていた矢じりをこっそり手に持ち相手のわき腹に突き刺す。
父親「ぐっ！？」
そうして出来た一瞬の隙を逃さず相手を投げ、馬乗りになってナイフを構える。
きり「これで終わりだ。お前の負けだ。」
父親「ふっ。ああ、俺の負けだ。」
ふっと笑う男のわき腹に馬鹿力で深く差した矢じりを抜く。
男のわき腹からたくさんの体液があふれ出た。
それを見ずに愚かな男の最後を見る。
男は俺に手を伸ばし、俺の頬に触れた。
声は出ないらしい。
男は口パクで言った。
父親「お前は...俺みたいになるな。きりやん、強くなったな。」
と。