豆まき祭、終焉 ページ20
豆まき祭の優勝者は、もちろんお姉ちゃん。ジェノサイドモードの原田君も、あの後音も無く現れたお姉ちゃんに一瞬で敗れ、体育館に力なく連行されていった。
「えー、これよりっ。閉会式をっ始めるっ」
教頭先生の声に、体育館中の視線が集まる。膨大な寄付金の賜物であるサッカーコートサイズの体育館は、全校生徒ほぼ全員が揃ってもまだ余裕がある。校長先生の長話と生徒代表のスピーチが終わり、いよいよお姉ちゃんの番だ。
「えー、では表彰に移ります、富家耶乃恵留」
乃「は〜いっ^^」
勢いよく壇上に駆け上がるお姉ちゃん。お姉ちゃんをよく知らない人達からは嘆息の声が上がる。
「あの子、めっちゃ可愛くない?」
「スタイル良すぎ、羨ましい…」
「運動までできるブヒか、乃恵留たん…」ハァハァ
最後、漫研の豚倉君が混じってるのはスルーしても、やはりお姉ちゃんの人気は凄い。
「これからも頑張ってくださいね。これで評判と寄付金も…」
「校長、本音が出てます」
賞状と賞品を渡しながら黒いことを言う校長先生。冗談に聞こえないのがまた困る。
「あんたのお姉ちゃん凄いね……ねえ、あれ…」
「うん、……あれ…」
隣にいた陽菜が話しかけてくる。視線の先には……――
「」チーン
恐怖の表情で固まったまま、地に伏している『狂犬』佐藤君の姿があった…
*
人気携帯小説家・ミナの日記
20xx 2/3(*)
うえ〜ん、今日の豆まき祭、負けちゃったよ〜(泣)(´;ω;`)
去年も今年もあと一歩だったのに〜ヽ(`Д´)ノ
ちなみに、優勝は同じクラスの女の子だったよ(´・ω・`)
来年こそは優勝目指してがんばるぞーo(`^´*)
それじゃ、おやすみ( ´∀`)/〜〜
*
「――これで、よしっと」
そういうと少年は背もたれに体をあずけた。暗い部屋の中青々と輝く画面には、カラフルな文章が写っている。
「…にしても、今年頃は原田の野郎を倒せると思ったのによ…」
チ、と舌打ちをして少年は乱暴に髪を掻き乱す。苛立ちを隠そうともしない少年の態度は、普段外で見せているものだった。少年がカーソルを動かし、[更新]と書かれたボタンを押すと、ぱっと画面が切り替わる。
新しく開いた画面上には、カラフルな文字で『ミナの日記』と書いてあった。
――――
ミナ≒狂犬。なんかランキングがすごいことにwww
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リン - 悪女DQNネーム...この先彼女はどうなってしまうのか?続きが楽しみです!書籍化してもいいくらいですよ! (2016年4月17日 12時) (レス) id: c8108311cd (このIDを非表示/違反報告)
浬(プロフ) - なななさん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2014年3月24日 20時) (レス) id: 1caf069481 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - めちゃくちゃおもろいっす!!www更新頑張って下さいね〜!! (2014年3月23日 20時) (レス) id: 61c1517508 (このIDを非表示/違反報告)
浬(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!頑張ります! (2014年2月20日 20時) (レス) id: 1b3f67fa2b (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!更新ファイトです! (2014年2月20日 18時) (レス) id: dfdc9c234b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:プ | 作成日時:2013年12月8日 14時