王道ヒドインなお姉ちゃんは…。【オリジナル】

「これはセンズですか？」 ページ16

乃「わ〜いっ！皆待って〜」

某忍者漫画の如く分身しながら廊下を疾駆するお姉ちゃん。通りすぎた壁は銃弾でも打ち込まれたかのように小さく丸い穴が空いている。

「ううっ…覚えてなさい…」
「この借は必ず返すわ…」

壁に張り付いたまま捨て台詞を吐くのは、改造制服を着た二人組。事の起こりは、数分前に遡る。

ーー

豆まき祭当日、開会式を終え、ターゲットを探しに廊下を歩く私達の後ろから声がした。

「ついに来たわ、けい子」
「やっと来たのね、よう子」

声のした方に振り向くと、柱の影から勢いよく人影が飛び出した。

「大人しくなさい富家耶姉妹！」
「私達が引導を渡して差し上げるわ！」

ビシッと決めポーズを決める改造制服の二人組。高飛車、といった言葉がぴったりな雰囲気のこの二人は、浦綯ではちょっとした有名人だ。

乃「誰ぇ？この子達ー」

無邪気に笑うお姉ちゃんにかっと赤くなる二人。流石お姉ちゃん、KY(空気読めない)。

｢あれだよあれ、立井川、小出谷グループの…｣

歴史はあれど知名度はそこそこの小出谷・立井川グループの一人娘、よう子&けい子。
両家ともに昔から一方的に富家耶家をライバル視し、何かと突っ掛かってくる。去年の豆まき祭もそうだった。

｢富家耶乃恵留、豆を取りなさい！｣
｢今年こそ吠え面かかせてやるわ！｣

いかにも負けフラグなセリフを言いながらお姉ちゃんの手にある豆入りの升を指差した二人は、どこからかバッ！と銃器を取り出すと、こういった。

「貴女、素手なんですって？ご愁傷さまですわ」
「この度小出谷グループが開発した銃は、1分間に500発も打てるのよ｣

勿論特注よ、と胸を張る二人。それを見ていたお姉ちゃんは笑顔のままで、

乃「えいっ」

可愛らしい声と共に、お姉ちゃんの腕がぶれた(・・・)。
ヴヴン！と唸りをあげ、顔の真横を通りすぎたそれは――


豆、だった。


――――
小出谷よう子：小出谷グループの一人娘。プライドが高い。
立井川けい子：立井川グループの一人娘。プライドが高い。

今の登場人物が乃恵留以外全員常識人で乃恵留が痛い子からヤバい子になってしまいそうなので、もっとアレな子追加。
改造制服の内訳は、袖：パフスリーブ スカート：パニエ+コルセット 首元：セーラーの内襟抜いてワイシャツin。校則違反のオンパレード。多分、委員長が見たら腰抜かすと思います。

小石ならありうるけど→←行間・某クラスメイト

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