乃恵留と豆の日 ページ14
浦綯学園は昔から授業よりイベント重視の学校で、クリスマスやハロウィン等にあわせ、様々な大規模のイベントをしてきた。
そして今回のイベントは――
乃「『ビーンズファイア・サバイバル』?」
帰り道、学年だよりを見ながらお姉ちゃんが聞く。プリントにはミニキャラが、豆を撒いている絵が描かれている。
「簡単に言うと、豆まきだよ。豆鉄砲の技を競うの」
ビーンズファイア・サバイバル…もとい豆まき祭は、浦綯学園創設時から続く伝統行事。
基本的なルールは初期からほぼ変わらず、学園全体をフィールドにしたサバゲーのようなものだ。
最後まで残った生徒には景品もあるし、バレンタインを前に苛立ちが募っている生徒にはストレス発散に、と数あるイベントの中でも特に人気が高い。
乃「ふぅん、面白そうだね。僕も参加したいなぁ」
「えっ」
その言葉を聞いて、寒さとは別の理由で体が震え出す。あの日の恐怖が甦ったかのように。
「お姉ちゃん…忘れたの?」
私は去年、嫌と言う程その身で学んだ――節分の、恐ろしさというものを。
乃「ふぇ?何を?」
「お姉ちゃんが豆ガトリングのアタッチメント装備して、私達をフルボッコにしたことだよ!!!」
あの日はブラッディ・ビーンズデイと呼ばれている。
富家屋一族が集まる食事会を文彦叔父さんは自作義手のデモに利用し、全員が最終兵器お姉ちゃんWith豆ガトリングの実験相手にされたのだ。
某B★RSの如く迫り来るお姉ちゃんは常に笑顔のお父さんから一瞬で表情を奪い、修羅と化したお姉ちゃんから逃げながら必死の形相で「文彦ォオオ! 覚えてろォォオオオ!!」と叫ばせる程だった。
「しかも叔父さん、凄くノリノリだったし…」
叔父さんは豆まき祭を終えた私に、新たなる戦場をプレゼントしてくれた。
ごめんね皆ー、と凄くいい笑顔で言う叔父さんを私は忘れない。
乃「でも皆笑ってたよ?」
「…膝が? あれは震えとも言えるよ」
キョトン、ととぼけるお姉ちゃんに諦めを覚えつつ、とにかく!と念を押す。
「あの惨劇を繰り返さない為にも、お姉ちゃんは参戦禁止。どうしてもっていうなら素手にして」
勿論銃器もだよ、と言うと以外にもすんなり頷いた。
「わかった、何も使わない。これでいいよね?」
特にすねた様子でもないので、お姉ちゃんも大人になったのか、と安心した。
「叔父さ…今…素手…強化…」
「わかっ…よ乃…留ちゃ…」
その夜、お姉ちゃんと叔父さんの間で、新しい悪魔の契約が完了したとも知らずに…。
行間・某クラスメイト→←「僕とテストとしょうかんじゅ…「「「ストップ!!」」」
17人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リン - 悪女DQNネーム...この先彼女はどうなってしまうのか?続きが楽しみです!書籍化してもいいくらいですよ! (2016年4月17日 12時) (レス) id: c8108311cd (このIDを非表示/違反報告)
浬(プロフ) - なななさん» ありがとうございます!これからも頑張ります! (2014年3月24日 20時) (レス) id: 1caf069481 (このIDを非表示/違反報告)
ななな(プロフ) - めちゃくちゃおもろいっす!!www更新頑張って下さいね〜!! (2014年3月23日 20時) (レス) id: 61c1517508 (このIDを非表示/違反報告)
浬(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます!頑張ります! (2014年2月20日 20時) (レス) id: 1b3f67fa2b (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!更新ファイトです! (2014年2月20日 18時) (レス) id: dfdc9c234b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:プ | 作成日時:2013年12月8日 14時