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宣言通り、翌朝北斗は一人で学校へ行ってしまった。悲しい気持ちになったけど、じゅったんの言葉を信じてとりあえず学校へ向かう。すると、校門のところでじゅったんが私を待っていた。
「Aちゃん!」
「おはよ。」
「おはよ。あれからさ、北斗と話したんだけどさ、とりあえず話し合うべきだと思うんだよね。」
「けど、北斗、私のこと避けてるから………。」
「だぁいじょぶ!その辺はこのじゅったんに任せろって!」
「じゅったん………。」
「とりあえず、放課後、屋上来て!」
「え、屋上って立ち入り禁止じゃ、?」
「俺を誰だと思ってんのー?」
そう言われてしまったら、なにも言えない。じゅったんなら普通にそういうことができてしまいそうだから。じゅったんはじゃ、頑張れ!と言い、私の元を去った。
放課後までに、北斗となに話すかちゃんと考えとかないとな。ちゃんと話して、ちゃんと仲直りしたい。やっぱり北斗がいないと寂しいから。私には北斗が必要だから。
「あれ、Aちゃん?」
「あ、大我先輩。おはようございます。」
大我先輩だった。元気で先輩好き好き!って感じの後輩として接しようと思っていたのに、今日はその元気も出ない。大我先輩も心配しているような表情になってしまって、申し訳ない。
「おはよう。元気ないね。」
「じゅったんが北斗と話す機会作ってくれたんですけど、大丈夫かなって不安で。」
「大丈夫だよ。ちゃんと話せば仲直りできると思う。」
「そうだといいんですけどね。」
「北斗はAちゃんにそんな表情させられちゃうんだね。」
「え?」
「ううん、なんでもない。Aちゃんは笑ってたほうが可愛いよ。」
「っ、!」
こうやってサラッと可愛いと言えてしまうところはじゅったんそっくりだ。けど、大我先輩から言われると特別な気がする。やっぱり、大我先輩という気になる人からの可愛いが一番嬉しいんだ。この時はそう思っていた。
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作者名:陽奏 | 作成日時:2023年7月13日 22時