高橋カップル。

・ ページ35

、






瑞稀君と別れて、優斗の家に向かう



バッグに入っている小さい箱を確認して、ワクワクしながらインターホンを押すと、
出てきた優斗は、疑うほど元気がなかった

しかも目が赤く腫れてる








「優斗、どうしたの？」



そう聞くと、今まで見たこと無いような苦しそうな笑顔で

「なんでもないよ、部屋行こ？」

って。




こんなの、ほっとける訳ない。



でも、玄関に長居するのも邪魔だし、寒い

一旦部屋に行こう。






いつもなら合わせてゆっくり歩いてくれるのに、今日はもう部屋に向かっている優斗を早足で追う








部屋に入って数分しても優斗は暗い顔したままだし、なんか素っ気ない





「ねえ、本当にどうしたの？」


「え？分かんないの？」


「、なにが？」




長い前髪から覗く目には涙が溜まっていて、少し、怖かった。





「はぁ……みずっくんのことが好きなんでしょ？さっさと付き合えば？」


「なに、言ってんの？」


「は？今日デートしてたじゃん。」


「違う！！あれは、」


「良いよ。ごめんな？今まで無理させて」





ヘタクソな作り笑いを顔に張り付けて謝ってくるけど完全に私が悪い



家に入る前のワクワクなんてどこかに飛んでいって、優斗を悲しませている自分が嫌になった







「違うの、聞いて」


「言い訳なんていらないから」


「違う！！
優斗へのプレゼント買うのに付き合ってもらっただけなの。ごめんなさい。」


「え、」





涙目のままこっちを見て、理解ができない、っていう顔をしてる



今、渡しちゃうか。

タイミング微妙だけど。





バッグから箱を取り出して、優斗に差し出す






「いつも忙しいのに私のこと大切にしてくれてありがとう。
悲しませて、勘違いさせて、ごめん。」






家に送ってもらっているときに瑞稀君と、言うって約束した感謝の言葉と、謝罪の言葉を言うと、

大好きな笑顔に戻って、



「なんだ、そっか、良かった」


「本当にごめん」


「んーん。俺こそ勝手に勘違いしてごめん。
これ貰って良い？」


「勿論！！」


「ありがとう。」


「私は優斗が思ってる以上に優斗のこと大好きだよ」


「っ、ありがと笑」




素直にいつも思っていることを伝えると優しく抱き締めてくれた




香水も気に入ってくれたし、仲も深まったし、結果が良ければ良いかな。

もう心配かけないからね。









かえで様リク

ヒーロー→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す