Story139 ページ41
ガラスの原料づくりとガラスの生成釜作りは皆に任せて、私は道具作りを再開した。うーん、こんなものかなぁ、って出来上がったのは夕方で。
「千空、ちょっと見てくれる？」
「おう…、ぜぇ…今…はぁ、いく」
ガラスを溶かすために鞴を動かしていた千空に声をかければ、クロムがその作業を交代してくれた。夏の暑さの中の作業でぜぇはぁ言っている千空に、水を渡す。それを一気に飲み干した千空は、それで、と私の方を見た。
「どうした」
「多分完成してると思うから、見てほしいんだけど…」
「お、もう完成したのか。…ちと頑張りすぎじゃねーか？ゲンの護衛からこっち、まともに休んでねぇだろ」
「うーん…まぁそろそろ休むよ。心配してくれてありがとう」
「ったりめぇだろ。テメーは力はゴリラでも、体力馬鹿の大樹とはちげーんだ」
「ゴリラはもう、訂正する気も起きないわ…」
軽口を言い合いながら、私が作ったものを見てもらう。何を作ったかって？そりゃガラスの研磨機ですよ。さすがに初めての工作だったので、設計図見ながら慎重に作ったけど…。
「ああ…まぁ大丈夫だろ」
「よかった…。それにしても、そろそろ道具作りとか細工が素人じゃ無理ゲーなレベルに来てない？」
「ああ、職人一人いりゃー、かなり楽になるのは間違いねぇ」
「誰か科学王国に入ってくれないかなぁ。ラーメン部隊は、そう言う人いないの？」
「あとでクロムかコハクに聞いてみりゃいい…が、職人ってのはジジイのイメージだな」
「私も。そんな歳取った人いなかったような気もするし…あまり期待しないほうがいいかもね」
研磨機はなんとかなったけど、これからやるガラスだって、ただ風鈴のような形をつくればいいわけじゃない。千空が欲しいのは、シリンダーやフラスコなんかの科学道具だ。その形に作るには、かなりの手間がかかるはず。
「結局、トライアンドエラーか」
「それしかねぇな。時間が間に合うかどうかはわからねぇが、俺たちにはその方法しかねぇ」
私も、今回研磨機を作るのにかなり失敗作を作ってからの千空へのお披露目だ。作りが単純でも、必要な動きについていける耐久力を作るのに苦労した。研磨機でそのレベルなんだ。ガラスなんて一ヶ月二ヶ月あっても足りるかどうか…。
「まぁAが心配するこたねぇ。テメーは御前試合に向けてたっぷり練習してろ。あとは俺らでやる」
「そう？じゃぁ任せるけど」
(本当に大丈夫かな)
(うーん…心配)
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灯霧(プロフ) - Rainさん» コメントありがとうございます！尊いいただきました…！千空推し仲間がいて嬉しいです！ (2020年6月18日 0時) (
レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ひかさん» コメントありがとうございます！一番いただきまして恐縮です！よろしければ今後もよろしくお願いいたします！ (2020年6月18日 0時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 夜さん» 返信が遅れて申し訳ございません！コメントありがとうございます！更新、これからも頑張らせていただきます！ (2020年6月18日 0時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - このお話大好きです！！千空推しの私にはぐはっ…尊い… (2020年6月17日 18時) (レス) id: a884ba806a (このIDを非表示/違反報告)
ひか - スゲェッス、感激！！今まで見た中で1番いいお話でした。 (2020年6月14日 5時) (レス) id: 186ecad035 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2020年6月7日 17時
