Story115 ページ17
橋の中心くらいで、ゲンとマグマたちが見合う形になった。
「「「ん？」」」
三人が訝しげにゲンを睨んでいると、彼はフワッ…と効果音を口にしながら花を差し出した。顔は見えないけど、きっと笑顔を浮かべているんだろう。
「何花なんか持ちやがってんだよ！この気障な男はよぉ！」
「あい〜！」
槍を構えた金髪の男性が、怒鳴る。うーん、なんかまんま不良に見えるのは私だけだろうか。こんなところで精神年齢実感するとは…。
「空の怒りを呼んだのは貴様か。ムハハ、自分から殺されに来るとはイイ度胸だ！」
「うん、度胸がいいのは認めるわ…。方向性違うけどね」
「おい、本当に大丈夫なのか？あの軽薄男は」
「マグマの強さは伊達じゃねーぞ？」
心配そうにするコハクとクロムを横目に、私と千空はどこか達観したように彼の背中を見る。
「ああ、心配ねーだろ。あいつはメンタリスト、斬った張ったの土俵じゃ勝てねぇことくらい、十分承知してる」
「だからこそ、花を持ち出してけむに巻くつもりだよ。腐ってもメンタリスト、その道のプロ。…ゲンのペースに乗せられれば、勝負はついたも同然だからね」
「ククク、そーいうことだ。お手並み拝見といこうじゃねぇか」
腕組みをして彼を見ている間に、話は進んでいた。
「やっだっなぁ、逆だよ逆。俺らはさぁ、あの雷チャンを妖術で消しに来たのよ」
「なぁに適当な寝言ほざいて」
「こんな風にね」
パッと、ゲンが手を動かした。私たちからは、彼の手の甲に花があるのがわかる。…つまりマグマたちには、花が消えたように見えたはずだ。その証拠に、彼らはえらく驚いている。
「マジで消えた！？目の前で！」
マグマという男がそれを叫ぶ中、コハクも驚いていた。…別の意味で。
「あれで見えていないのか？マグマたちからは…」
「バックパームとかいう技だ。手品師がトランプとか使ってやるやつだな。ックク、やるじゃねーかインチキマジシャン…！」
「うん。それに一瞬で、あの三人を自分のペースに引き込んだ。やるね、詐欺師」
「えらく酷い言い様だな…」
やがて三人は、村へと帰っていく。その様子を見て、ゲンがため息をついた。
「ふぅ」
「お疲れ、ゲン」
「ほんっと疲れたよー。これで面白いもの見せてくれなきゃ…司チャンとこ戻っちゃうよ？」
クスクスと笑う彼をねぎらった私がばかだった…。そう思った時、千空が笑う。
「安心しまくれ」
(私の大好きな)
(勝気な笑み)
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灯霧(プロフ) - Rainさん» コメントありがとうございます！尊いいただきました…！千空推し仲間がいて嬉しいです！ (2020年6月18日 0時) (
レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ひかさん» コメントありがとうございます！一番いただきまして恐縮です！よろしければ今後もよろしくお願いいたします！ (2020年6月18日 0時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 夜さん» 返信が遅れて申し訳ございません！コメントありがとうございます！更新、これからも頑張らせていただきます！ (2020年6月18日 0時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
Rain - このお話大好きです！！千空推しの私にはぐはっ…尊い… (2020年6月17日 18時) (レス) id: a884ba806a (このIDを非表示/違反報告)
ひか - スゲェッス、感激！！今まで見た中で1番いいお話でした。 (2020年6月14日 5時) (レス) id: 186ecad035 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2020年6月7日 17時
