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Story313 ページ26

家探しも大詰め。あと三軒というところまで絞り込んだ。このご時世に県を跨いだ移動というのは本当に憚られたけれど、これも生活のためだ。心の中で何度も誤り感染対策を厳重におこなって、私たちはさらに二週間かけて家を見て回った。候補地は福島、長野、愛媛の三県。大移動を終えて家に戻ってきた時は、みんなくたくたになっていたわけで。


「やぁやぁみんな、元気そうだね☆」
「ウゼェ消えろ」


玄関を開けた瞬間に自称神様のウザい歓迎にあって、思わず扉を思い切り閉めてしまった。このやり取りだけで、みんながあー、って顔する。


「…おい、A。いつまで外にいなきゃなんねーんだよ」
「だって天元、開けたらあいつがいるんだよ?キュルンって顔してポーズして」
「だからと言ってなぜ俺たちが外にいなければならない。俺は早く甘露寺を休ませてやりたいのだ、さっさと開けろ。自称神とやらは俺がぶちのめす」
「伊黒ォ、気が合うな。俺も手を貸すぜェ」


バキボキと拳を鳴らす二人に、蜜璃ちゃんが慌て出す。そんなのかわいそうよ!という言葉を聞きながら、私はため息をついてもう一度扉を開けた。


「ひどい、ひどいよ…シクシク」
「よし、殺すゥ」
「日輪刀はどこだ」


玄関に横座りになって泣く自称神にうんざり。小芭内と実弥を止める気力すらない。とりあえず邪魔なので自称神は隅に追いやって、家の中に入る。すぐに休みたいのを堪えて、全員を家に入れて。ちゃぶ台とかを全部どかして、十畳の部屋に全員がぎゅうぎゅう詰めになった。


「それで、今回は何よ。さっさと用件言ってくれない?疲れてるの」
「扱いがどんどんひどくなってく…」
「あんたがいちいちイラつかせるからよ。自業自得。…それで、何?」


さっさと用件を言え、というのは全員からの視線の意訳。刺さるような視線に、自称神様はため息をついた。


「いや、どうも君たち、重要な選択をしようとしているみたいだからさ。そろそろ力も貯まったし、決めさせてあげようかなって」
「…それは、我々が元の世界に戻る準備ができた、ということだろうか」
「そうだよ♪」


行冥さんの言葉を肯定される、その瞬間。みんなが息を呑んだ。


「決断はすぐにじゃなくてもいい。でも今のままじゃ決めきれない人もいそうだから、ゲストを呼んでありまーす!」


(ゲスト?)
(これ以上人増えるのは勘弁して…)
(そう思っていたんだけど)
(おいで、って言われて姿を現したのは)
(…子供?)

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灯霧(プロフ) - シンヤさん» コメントありがとうございます。いまとてもバタバタしているのですが必ず更新いたします! (2022年7月19日 21時) (レス) id: e0bf1f0d56 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています (2022年7月14日 2時) (レス) @page47 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - pppさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて光栄です!この先をどう進めていこうかというなは決めているのであとは書く時間だけなのですが…なかなか難しくて申し訳ありません。でも最後までやりますのでお待ちください! (2022年5月23日 14時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
ppp - この作品が好きで最初から何度も読み返してます。更新、なかなか大変かと思いますが、続きを楽しみにしております。 (2022年5月22日 20時) (レス) id: f728de7b66 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - むるさん» ありがとうございます、励まされます! (2022年3月28日 21時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灯霧 | 作成日時:2021年12月4日 15時

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