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Story302 ページ15

「お前も知っての通り、我々は鬼殺隊だ。鬼を滅殺することに命を、全てを懸けてきた」
「…はい」
「命を預かる仲間同士だ。無論、個人的な好悪はあっただろう。柱同士ですら、大人気のないやり取りがあったくらいだ。…だが、だからこそ、我々の絆というものは強く太い。例えば、煉獄がお前と添い遂げることはできないと知ったとして、彼はそれを大袈裟に悲しむことはしない」
「…なんとなく、それは想像できます」


行冥さんのいう通り。杏寿郎はきっと、そうか!と笑ってくれる。もし涙を流すとしても、それは私の前ではあり得ないし、私の前ではいつも通りに振る舞ってくれる。それだけの愛情をもらっていると、私は確信していた。


「宇髄も、子供ではない。時透に至っては年相応の反応をする方が健康的というものだ。…あの子には、そういう機微を積極的に出してほしいとも思う」
「…確かに無一郎は、十四歳とは思えない大人っぽさ、というか…落ち着きがありますよね」
「あの子の過去も凄絶だったが…私はむしろ、時透の死に様が記憶に残っている」
「ネタバレとかでちょっと見た程度なんですけど…」
「そうなのか」
「はい。…最初はみんなの情報を知らなきゃと思って、成島から漫画を借りましたけど…その、それ以降は。見たら皆の心の中に、土足で踏み込んでいってしまうような…そんな気がして」
「…そうか。やはりAは優しいな」


よしよし、と私の頭を撫でてくれる、行冥さんの大きな手。暖かくて、ゴツくて、優しい手。


「決めたんです。あれ以上の情報は、みんなが話してくれるんじゃなきゃ知らなくていいって。だって、フェアじゃないですよね。それに、やっぱりみんなの口から聞きたくて。いろんな感情を」


その時何を思ったのか、どうしてそういう行動に出たのか。彼ら自身の言葉で知りたかったから。


「…感謝する、A。…だったらあいつらに、自分で聞くといい。なぜなのか。どうしたいのか」
「…へ?」
「先ほどの悩みだ。気まずくなるのが怖いのならば、気まずくならないように物事を流していくということもできる」
「え、いや、それはちょっと…」
「何か問題でも?」
「ありまくりでしょ…」


(いきなりそれは)
(ハードル高すぎるって!)

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灯霧(プロフ) - シンヤさん» コメントありがとうございます。いまとてもバタバタしているのですが必ず更新いたします! (2022年7月19日 21時) (レス) id: e0bf1f0d56 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています (2022年7月14日 2時) (レス) @page47 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - pppさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて光栄です!この先をどう進めていこうかというなは決めているのであとは書く時間だけなのですが…なかなか難しくて申し訳ありません。でも最後までやりますのでお待ちください! (2022年5月23日 14時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
ppp - この作品が好きで最初から何度も読み返してます。更新、なかなか大変かと思いますが、続きを楽しみにしております。 (2022年5月22日 20時) (レス) id: f728de7b66 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - むるさん» ありがとうございます、励まされます! (2022年3月28日 21時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灯霧 | 作成日時:2021年12月4日 15時

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