Story301 ページ14
二週間。みんなと別行動をしながら物件探しを続けて、わかったことがある。
「日本って広い家なさすぎ…」
ほら、あるじゃない。テレビ番組で、ポツ○と一軒家みたいなやつ。あんな感じになっちゃう。流石に…それは、ねぇ。でもある程度の利便性を求めると、いきなり狭くなっちゃうし。
「最低でも五部屋って、こんなにきつい条件だっけ?もうなんか、アパート丸ごとっていう方がいい気がしてきた…」
部屋の確保だけ考えれば、それもありだろう。久々に自室でパソコンと睨めっこしながらうーんうーんと唸っていると、誰かがドアをノックしてくる。
「はいはーい」
「失礼する。随分と長い時間、篭っているな。茶を持ってきた」
「行冥さん!ありがとうございます、どうぞ!」
別行動になって、二週目。昨日から行冥さんと杏寿郎、実弥と玄弥くんがうちにはいる。昼ごはんを食べてずっと篭りっぱなしになった私を、行冥さんが気遣ってくれたんだ。扉を開けて入ってくる彼の体躯は大きく、この部屋…と言うより家そのものがミニチュアになった気分。彼が持つと小さな湯呑みを受け取り、ふぅ、と一息。
「どうだ?家探しの方は」
「なかなかいいのはないですねぇ。戸建でこだわるからいけないのかなぁ。でもせっかくだしみんなと一緒に暮らしたいと思っちゃうんです」
「…何も悪くはないと思うが。玄弥も胡蝶も時透も煉獄も宇髄も、そのつもりだろう」
「そうだったら嬉しいですけどね。…行冥さん。ちょっと泣き言言っていいですか?」
「私でよければ」
そう言って、行冥さんは床に座った。流石に申し訳ないので、座布団代わりにクッションを渡す。…ちょこんとクッションの上に胡座をかく彼が、ちょっと可愛く見えた。
「家探しも問題なんですけど。その…無一郎と杏寿郎、天元が問題で」
「ふむ。…それは、この間の騒動と関係があるか?」
「ありますね。まさしくそれで悩んでいるので」
「何を悩む必要が?」
「いや、その…ね。例えば、私がみんなの気持ちには応えられないって結論を出すとするじゃないですか。なんかそこで、こう…気まずくならないかなぁって」
「…なるほど」
「というか、どんな結論を出しても、きっと誰かとはそうなっちゃうから、それが怖くて」
「ならば怖がる必要はない」
「え?」
(キッパリと断言をする行冥さんの視線が)
(私を見ているような気がして)
(思わず顔を上げてしまった)
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灯霧(プロフ) - シンヤさん» コメントありがとうございます。いまとてもバタバタしているのですが必ず更新いたします! (2022年7月19日 21時) (レス) id: e0bf1f0d56 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - 続きとても楽しみにしています (2022年7月14日 2時) (レス) @page47 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - pppさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて光栄です!この先をどう進めていこうかというなは決めているのであとは書く時間だけなのですが…なかなか難しくて申し訳ありません。でも最後までやりますのでお待ちください! (2022年5月23日 14時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
ppp - この作品が好きで最初から何度も読み返してます。更新、なかなか大変かと思いますが、続きを楽しみにしております。 (2022年5月22日 20時) (レス) id: f728de7b66 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - むるさん» ありがとうございます、励まされます! (2022年3月28日 21時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2021年12月4日 15時