【鬼滅の刃】引きこもりニートしようとしたら鬼殺の剣士がいらっしゃったようで……？2【逆ハー】

番外編:バレンタインデー ページ10

2月13日。彼らが来て、数日経った頃のこと。


「A、あんた今年のバレンタインは何処に買いに行くの」
「んー、あまり時間もないから、向かいのパティスリーでみんなの分買うのと、一応叔父さんの分も買っておくくらいかな」


休憩中、タバコを吸う成島の問いかけに、私はそう答えた。彼女は旦那の分を買うのに私があげるチョコと被らないよう聞いてくるのは、毎年の恒例行事だ。


「えー。あそこのフィナンシェ、ノリくん好きなんだけどなぁ」
「じゃあ私はトリュフにするから、焼き菓子買ったら？」
「店が一緒じゃつまんない。……そうだ、せっかく『あの3人』がいるんだから、手作りにしない？」
「あの3人……って」
「もち、さねみんとしのぶんとむいくん」


鬼滅キャラにチョコレートあげたい！とキラキラ目を輝かせる彼女に対して、私は異を唱えることできなかった。否、許されなかった。



ーーーーーー


翌日。朝の仕込みの時間に3階のパントリーを使って、成島と2人で人数分のチョコを作った。オーブンとかはないから、溶かして形作ってパウダーを散らすだけのトリュフを選択。まぁまぁいいものができたと思う。味は悪くないはずだし！
夜の賄いの時にみんなに配り、営業をして、終わって帰宅してから。


「みんな、これあげる」


着替えなどして一息ついたところで、個別にラッピングした包みを差し出したら、3人とも首を傾げていた。


(……なんだァ？)
(贈り物、ですか？)
(柔らかくて、硬い……？)

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