Story56 ページ8
1階のレジカウンターに入った私は、周りのものを確認する。領収書、印鑑、金庫、カードリーダー、レジロールの予備などなど。その間に成島がきて、看板出しをしてくれた。
「今日の予約、18:00からだよな?」
「うん。スタートはのんびりかなぁ。その後18時半に2組、19時に3階4名2組同時だから、余裕があれば上のヘルプもお願い」
「うぃーす」
「19時半にあと2名が3組、ラストは20時2名」
「じゃ、閉店の方がバタバタしそうだね」
「フリーのお客様がどれくらい来るかなって感じだけど」
「ふーん……あ、そうだ。しのぶちゃんにさ、マスク渡したいんだけど、5階にある?」
「さっき買ってきたからあるよ。でもなんで?」
「あのままじゃ身バレしそーでしょ。コロナウイルス口実に、マスク付けさせるよ。あと研修中のバッジもくれ」
「あ、それはここにある。ちょっと待ってね」
ガサゴソと引き出しを漁り、わかりやすいようにデカデカと研修中と書いてあるバッジを手渡した。
「でもそういう口実なら皆が付けないとおかしいから、ついでに皆にも配っておいて。箱で買ってきたから、枚数足りると思う」
「箱!?このご時世によくあったなぁ…。ま、りょーかい」
エレベーターに向かう成島を見送り、さて、と腰を下ろした。ここからはほぼ、待ちの仕事だ。お客様が入らない限り、私のやることはほとんどない。だからパッと見にはスマホをいじっているようには見えない姿勢で、大正時代のあれこれを調べる。鬼滅の刃に関しては、成島から情報を得られるだろうし…漫画もアニメも、見るのに時間がかかるから。
その後、ドアベルが鳴るまで約1時間。ご予約のお客様を皮切りに、お店がバタバタしはじめた。席表をみれば、2階は19時半時点で予約を含めれば満席状態。おぉう、かなり忙しいだろうなぁ。みんな、大丈夫かなぁ……。
ピリリッピリリッ。
内線のなる音に、受話器を持ち上げる。
「1階です」
「2階です。5、6番のお客様おかえりです」
「はーい」
短いやり取り、その後指定されたテーブルの伝票を用意して。降りてきたお客様とお話しながら、お会計をする。
「それにしても大変だね。まだ社長たち帰ってこないの?」
そのお客様は、常連さんだった。だから両親が私に店を任せて海外旅行に行ったことを知っている。でも、事故のことは話していない。後日、手紙は出すけど。
(そうなんですよー、と笑いながら)
(胸に走る痛みは無視した)
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灯霧(プロフ) - 絵宙(えそら)さん» ぎゃあ!見つけ次第順次直していきます……!ご指摘、お気遣いありがとうございます!頑張ります! (2020年4月16日 9時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
絵宙(えそら) - 宇髄さんの「ずい」は骨へんですよ〜公式さんも間違えてましたね…w公式さんは少し寝た方が良いと思うんですよ…w天元郎にしちゃってましたし…夜中作業でしたら灯霧さんも寝てくださいね!!! (2020年4月15日 17時) (レス) id: 63faa5bcfc (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 神夜神美さん» ありがとうございます!体調の心配まで……!腰を痛めているなうな私には有難いです!← (2020年2月23日 18時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
神夜神美(プロフ) - すごくおもしろくて最高でした!更新頑張ってくださいね!でもお体にもお気をつけてください!! (2020年2月23日 16時) (レス) id: 0f455588ed (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ももさん» コメントありがとうございます!ぜひぜひ、楽しんで頂けたらなによりです! (2020年2月21日 23時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2020年2月20日 15時