【鬼滅の刃】引きこもりニートしようとしたら鬼殺の剣士がいらっしゃったようで……？2【逆ハー】

Story78 ページ35

「あ、おはよーシゲさん、なるちゃん」
「おはようございます、菊池さん」
「おはよう」


エレベーターホールから3人の声がするのを、私はどこか遠くで聞いていた。原因は目の前に広がる、Webサイト。


「Aちゃん、おはよ……ちょ、どうしたの。げっそりして…」


タイムカードを押した菊池さんに続き、成島、シゲさんと3人分の電子音。ギョッとした声音に振り向いたら、成島とシゲさんの表情もギョッとしていた。魚か、あんたら。


「おはよーございますー……いやぁ…ちょっと、ショックを隠しきれず…」


これ、とノーパソの画面を3人に見せる。そこには価格比較サイトが出ていた。商品は、洗濯機。


「今どきの洗濯機って、高ぇ…時代は進んだ…」
「洗濯機？」
「うっわたっか！！…え、あんたまさか洗濯機壊れたの？」
「そのまさかなんだよぉおおお！！」


私の悲痛な叫び声に、3人は揃って耳を塞ぐ。ひどい！(当然)


あのあと。

とりあえず洗濯物はすべてコインランドリーにぶっこんできた。ついでに乾燥もしてきたさ！見張りに不死川さんとむいくんを置いて、私はクリーニング屋さんに、しのぶちゃんは水浸しになった洗濯機周りのお掃除。ついでに買い物をして、帰りに不死川さんとむいくん、洗濯物を拾って帰宅。しのぶちゃんが作ってくれたお昼ご飯を食べてから3人に洗濯物を畳んでしまってもらい、私はメーカーに電話。だがエラーの数字と状況を鑑みるに、買い換えた方が早いと思うという絶望の回答がでてきたわけだ。

愕然としながらも、習慣というのは恐ろしいもので、14時を過ぎたあたりで仕事に行かなきゃ！と思い直して。3人を車に乗せてとりもなおさず店に向かい、ようやく一息ついて家電の価格比較サイトを見たのだが。


「洗濯機置き場のサイズ、測ってきたんけ？」
「うん。で、安すぎても怖いから…」


状況説明をすると、なるほどー。と成島が横からノーパソを覗き込んだ。


「で、予算は？」
「5、6万と思ってたんだけどねぇ…」
「うっわ、クチコミびみょー…」
「評価だけならこの辺なんだけど、そうすると完全にカード分割払いじゃん？」
「それが嫌なわけね」


ま、保険金も入るからお金が無いとは言わない。でも、カードっていうのがほんと、いや。


「コインランドリー、しばらく使って貯金とか」
「…しばらくはその方針で考える…」


(そんな私の姿を)
(申し訳なさそうに、3人が見ていた)
(いや、みんなのせいじゃないよ！？)

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