story68 ページ20
無事に、仕事は完了した。仕事は、だ。レベッカに盛られた薬のせいで数日の間隔離されていたAは、部屋にこもったまま。
(…まぁ、仕方ないね)
なにせ盛られたのは特製媚 薬。その姿を見たのは元々同行していたメンバーに加えて、クロロとマチ。団長として、医者として彼女と相見えた二人だったが、正気に戻ったAはもう絶対顔を合わせられないと嘆いていた。それくらい衝撃的な姿を見たというのに。
(……少し惜しかたよ)
そう思ってしまうくらい、美しかった。雌の獣のように強請る彼女の姿。一度絆されて抱いてしまったくらいの、抗えない魅力。
(昔のお前にも…そういうモノがあたね)
向日葵のような笑顔、はにかんだような笑顔。どうしようもなくそれを歪めたいという歪な愛情だったが、フェイタンは確かにAを愛していたから、男としての性に目覚めた時からいつか抱いてしまいたいと思い、いつも欲望と戦ってきた。それが思わぬ形で遂げられて、今感じるのはどうしようもない渇き。
「もと……もと、お前を感じたいよ…A…」
熱い吐息と共に呟かれた言葉は、春の爽やかな風に消えていった。
一方。
「……ぅー」
「仕方ないだろ、そういう薬だったんだ。身体から抜けただけでも感謝しなよ」
「それは分かってるけど…」
すっかり薬が抜けたとはいえ、身体への影響は大きい。Aは未だにだるさの感じる身体をシャルナークの部屋の壁に寄りかからせていた。パチパチとキーボードを叩くみんなのブレインに、どうすればフェイタンたちと普通に接していけるかを相談しに来たのだ。
「というより、なんで俺？俺だって一応、あんな姿見てるんだけど」
「ちょっと喘いでただけじゃない…あの後のことはほんと、記憶から抹消したいくらいなんだから…。しかも、ヒソカにも見られた！最悪だ、アイツ！」
「ご愁傷さま。でも結果、ヒソカの提案でフェイタンに拷問部屋を提供して貰えたから、他のメンバーに見られず薬が抜けたんじゃないっけ」
「そうだけど！…もう顔合わせられないよ…いっそ、蜘蛛を出ていこうかな…」
「それやられると、クロロに殺されるけどね」
「そうなんだよねぇ…どうしよう」
(悶々と悩むAには悪いけど)
(俺は凄く嬉しかった)
(まるで小さな頃みたいに俺を頼ってくれる彼女の態度が)
(凄く嬉しかった)
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累 - とても面白いです！つづき楽しみにまってます！頑張ってください、応援してます！ (2020年4月6日 12時) (
レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 由宇さん» コメントありがとうございます！ちょいちょい停止しますが必ず書き上げますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ここっちさん» もうちょいで記憶が！まだわかりません！（←）でも長い目で見ていただければと思います、よろしくお願いします！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆっずーさん» 遅くなりまして申し訳ありません！いつもありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
由宇 - 面白いです！早く更新停止が終わることを願ってます！頑張ってください！ (2018年8月15日 11時) (レス) id: 06761224f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2017年7月10日 18時
