story73 ページ25
まず連れてこられたのは、流星街だった。少なくとも今のAは、初めて足を踏み入れる。
「この辺が、うちらの遊び場兼仕事場だったね」
すべてを受け入れる街、流星街。その中でもひと際治安の悪そうな一画で、案内人としてついてきてくれたマチとクロロ、フェイタンとフィンクスが足を止める。
「懐かしいな…確か、初めてAと出会ったのはフェイだったっけか？」
「ああ、そういえば。俺が仲間にすると言った時には、すでに顔見知りだったな。確か、命の恩人さんということだったが」
プライベートモードのクロロが記憶を掘り起こし、そんなことを言った。その内容に、Aがフェイタンを見る。
「命の恩人？」
「……昔の話ね」
「その昔の話をしにきてるんだろ。フェイタン、Aと出会った場所に案内してよ」
「…まだ残てるかどうかは、保証しないよ」
しぶしぶ、フェイタンは歩き始めた。昔、やはり同じように問い詰められた時には、黙秘を貫き通したものだ。なぜか、彼女と出会った場所を知られたくなかった。それがほのかな恋心からくる独占欲だったと自覚したのは、ずいぶんと先の話だったが。だが今は、その場所に案内せねばならない。Aの記憶を取り戻すために。
廃屋が並ぶ路地裏の角で、フェイタンは足を止める。
「ここね。ワタシがアジトに行こうとしたら、ここでAとぶつかたよ」
「…漫画みてぇな出会いだな」
「うるさいよ、フィン」
げし、と彼の足を蹴ってからAを見れば、ふーん、と気のなさそうな感じであたりを観察している。この様子だと、ここはダメなようだ。クロロもその結論に達したのか、一応Aに確認を取る。
「どうだ、なにか思い出せそうか？」
「…何もひっかかんない。少なくとも今は」
「…のようだな。それじゃ次は、俺たちのホームに行くか」
一行は流星街でのアジトに向かう。そこは幼いころからホームと称していた、古い壊れかけの教会だ。屋根には穴が開いているが、一応雨風をしのげる体は保っている。多少カビや埃くさいのは、仕方がない。場所柄どうしようもないのだ。
「…ここが、ホーム」
「ああ、それなりに広さがあるからな。ちょっと見て回ってみてくれ」
「了解」
「大丈夫だとは思うけど、一応アタシがついていくよ。邪魔にならない程度についてくから、気にしないで」
「ん、ありがと。マチ」
(なんとなく、懐かしく感じる)
(でもそれはあくまで、なんとなく、なんだ)
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累 - とても面白いです！つづき楽しみにまってます！頑張ってください、応援してます！ (2020年4月6日 12時) (
レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 由宇さん» コメントありがとうございます！ちょいちょい停止しますが必ず書き上げますので、どうぞよろしくお願いいたします！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ここっちさん» もうちょいで記憶が！まだわかりません！（←）でも長い目で見ていただければと思います、よろしくお願いします！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆっずーさん» 遅くなりまして申し訳ありません！いつもありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
由宇 - 面白いです！早く更新停止が終わることを願ってます！頑張ってください！ (2018年8月15日 11時) (レス) id: 06761224f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2017年7月10日 18時
