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story49 ページ1

「……暑い」


キッチンでひたすら料理をしたせいだろうか。『意外に美味い』とか『見た目もいいなんて』という失礼極まりない言動をスルーして、Aはテーブルに張り付いていた。


「何かあたか?」


隣に座ったフェイタンに問われ、冷たいテーブルに当てていた額を傾けて頬をあてる。


「暑い」
「………寝言は寝て言うものよ」
「私、こんなに火に炙られた事はないから」


Aの言いたいことはこうだ。季節が冬から春にかけてだろうと、コンロの火の熱さは変わらない。そして一人前ならともかく二十人前ともなれば、火に晒されている時間も長い。今まで自分が食べる分だけ作ればよかった…だけでなく、季節など関係なしに仕事がない時は部屋に(否応なく)閉じこもっていたAが『暑い』とか『寒い』と感じた時にする行動は、エアコンのリモコンを操作するだけ。だが。


「ここ、エアコン効いてない」
「だから、真夏は使わねぇアジトなんだけどよ」


フィンクスの言葉に、うげぇ、と顔をしかめるAがいる。


「暑い」
「諦めて鍛えろ」
「無理、暑い。というかフェイタンの格好が見てて暑苦しい」
「じゃあ何か?フェイがタンクトップにハーパンなら、その暑さは少しは紛れるってのか?」
「……いや、それは無いけど」
「お前ら、ワタシで遊ぶのやめるね」


オムライスを頬張りながら嫌がるフェイタンを挟み、フィンクスとAは苦笑を浮かべた。ちなみにウヴォーギンとノブナガは、オムライス制覇に夢中である。スプーンを置いたフェイタンが、Aの額に手を伸ばした。


「基礎体温低い?冷たくて気持ちいー…」
「フィン、こいつ馬鹿よ。熱があることに気づいてないね」
「はぁ!?なんでまた!傷は回復してんだろ!?」
「知らないね。鍛え方が足りない違うか?」


ぽっかぽかと…いや、暑苦しいと思うほどの熱を伝えてくる額に呆れる彼は、ため息を付きながらAの襟首を引っ付かんだ。ちなみにAはすでに、夕食を終えている。


「片付けはウヴォーとノブナガがやておくから、お前は早く寝るね」
「え、なんで。猫と戯れる予定だったのに」
「休まないのなら、ワタシの図書室は出入り禁止ね」
「休みます!」


大人しくフェイタンに引き摺られて退場する彼女を見ながら、フィンクスは笑った。


「どっかしら抜けてるところは、昔から変わらねぇな」


(それは安堵)
(間違いなく、AはAだと思えたから)

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- とても面白いです!つづき楽しみにまってます!頑張ってください、応援してます! (2020年4月6日 12時) (レス) id: 7d54cdb775 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 由宇さん» コメントありがとうございます!ちょいちょい停止しますが必ず書き上げますので、どうぞよろしくお願いいたします! (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ここっちさん» もうちょいで記憶が!まだわかりません!(←)でも長い目で見ていただければと思います、よろしくお願いします! (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - ゆっずーさん» 遅くなりまして申し訳ありません!いつもありがとうございます!これからも頑張りますね! (2018年8月26日 14時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
由宇 - 面白いです!早く更新停止が終わることを願ってます!頑張ってください! (2018年8月15日 11時) (レス) id: 06761224f9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灯霧 | 作成日時:2017年7月10日 18時

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