story13 ページ15
「終わったぁ！」
イザベルの声が響いたのは、それから一時間後の事だった。ファーランとリヴァイはすでに終えて、Aの採点待ちだ。
「お、ようやく終わったのか」
「なんだよ、ファーラン。俺が馬鹿みてぇな言い方じゃねぇか」
「実際、馬鹿だろ」
「馬鹿じゃねぇ！」
「33-12は？」
「え？えーっと」
いつものじゃれあいが始まる中、リヴァイはじっとAを見ていた。自分の姉とは思えないのだ。それほどに、リヴァイの知るAとはかけ離れている姿。
「終わったぞ。置いておくから勝手に取っていけ」
「え、もう！？」
「僕が知りたい情報はな。あとは自己採点でもしておけ」
「……A」
シュッ。
「避けるなよリヴァイ」
「何度も食らってたまるか」
「ほぉ。余程死にてぇのか？」
投げられたペンを片手で受け止めたリヴァイと、口角だけをあげているA。まるで部屋の中にブリザードが吹き荒れているような雰囲気に、イザベルとファーランは口を閉ざした。
「お姉さま、もしくは司令だろ？」
「ざけんな。大体なんでてめぇが総司令なんぞになってる」
「お前は本当に、規律ってもんを叩き込まなきゃダメだな」
そのブリザードを遮ったのは、一つのノック。
「誰だ」
「俺だ」
「あぁ、ミケか。入れよ」
扉を開けて入ってきたミケが、部屋の空気に軽く眉をあげる。だがそこには触れずにAを見た。
「時間通りだな」
「遅刻するとうるさい誰かさんに呼び出されたんでな。…それで、俺は何をすればいいんだ？」
「基本的な戦術論を頼む」
今まで睨み合っていたとは思えないほどの、豹変ぶりだ。それに舌打ちをしたリヴァイを、再びペンが襲った。
「リヴァイ、僕の前で舌打ち禁止だ。…さて、もう名前は知っていると思うが、一応紹介しておく。ミケ・ザカリアス。僕の同期だ。彼には貴様らの『調教』を手伝ってもらう」
調教の二文字に、三人の空気が変わった。クソ豚呼ばわりに続いてこれだ。人間扱いされていない。そんな彼らに、Aはニヤリと笑った。
「人間扱いされてぇなら、それなりの成果を出せ」
(思い上がるのが一番良くない)
(壁の外は、お前らが思うほど甘い世界ではないから)
(僕の役割は、死ぬ可能性を一パーセントでも下げることだから)
(例え実の弟でも、その仲間でも)
(容赦はしねぇ)
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灯霧(プロフ) - 777さん» 普通のペンだと難しいとおもいますよー。私も姉に投げつけたいww (2015年7月16日 9時) (
レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 南湖さん» 万年筆のようなものを想定しているので、返しは自作でしょうwwありがとうございます！頑張ります！ (2015年7月16日 9時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
777 - ↓いったい何に使う気ですか;…と言いつつボクも欲しい！弟に投げつけたい！！自分のペンにカエシ付けられるかな… (2015年7月16日 0時) (レス) id: 1bd62eb53b (このIDを非表示/違反報告)
南湖(プロフ) - ペン先に返しがついてるペンってどこに売ってるんでしょう。欲しい← 更新頑張ってください！ (2015年7月15日 22時) (レス) id: 160e01a0b4 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 777さん» 固まらせたかったんです（←草がはえて嬉しい！ (2015年7月14日 23時) (レス) id: 3be15bf116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2015年6月27日 8時
