Story40 ページ41
鬼殺隊には、隠という役職がある。
呼吸を習得し最終選別を突破したものの、剣術に難ありとされたもの。もしくは現役の剣士だったが怪我などを理由にやむを得ず引退し、育手としては若すぎるものなどがつく、後方支援の役目だ。
「雛鶴たちにはくのいちとしての技術と経験がある。そこらの隠よりよほど、天元の力になるだろう。…ただ、鬼と対峙する恐怖を克服できれば、だけれどね」
「…そう、ですね」
「私から見て、雛鶴は責任感がありすぎて…ありていに言えばまじめすぎる。まきをは面倒見がよすぎて、いらぬ節介を焼き、それが敗因になる可能性もある。須磨は自分を過小評価しすぎだ。それに感情に流されがち。…その辺を踏まえたうえでの役割分担をすれば、三人で天元を支えるということも夢物語ではなくなるだろう。…どうする？やってみたいかい？」
「…はい。私たちは、天元様に命を…心を救われました。私たちは天元様に尽くすためにおります」
「…そうかい。ならば私は止めないよ。実戦経験を積みたいなら、その場を用意するようにしよう」
「ありがとうございます！」
深々とお辞儀をする雛鶴のつややかな黒髪をよしよしと撫でていたら、BGMになっていた戦いの音がやんだ。
「おいおい、俺の嫁に派手になに吹き込んでんだよ」
「別に、ただ口説いていただけさ」
「くどっ…！？」
「ふふ、嘘だよ。…どうだい？楽しかったかな？」
「…フン」
借り受けたままの日輪刀を肩に乗せて盛大に鼻を鳴らしたのは、実弥だ。
「速さと馬鹿力だけは、認めてやらァ」
「そりゃどーも、小僧センパイ」
「てめっ」
「実弥。いちいち突っかかっていたら、疲れるだけだよ？天元も、ここにいる間は実弥を敬うこと。君より年下でも、君より先輩の鬼殺隊士なのだから」
クスクスと笑いながら、Aは二人に向き直った。
「そろそろまきをたちが戻ってくるだろう。雛鶴とまきを、須磨で食事の用意を。実弥と天元は、寝床の用意だよ。天元が作りかけの新しい小屋があるから、そちらを今日中に完成させる。…ああ、勿論鍛錬も兼ねてるから、実弥は全集中の呼吸が途切れたらしばくよ」
「んな！？俺さっき帰ってきたばかりっすよ！？」
「鬼に言い訳は通用しない。いつでも全力を出せるよう鍛えるのが、当然さ」
(がーん、とあからさまに落ち込む実弥の肩を)
(天元が慰めるように叩いた)
(あの二人は、中々いい組み合わせになるかも知れないね)
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灯霧(プロフ) - 陽さん» コメント、ご指摘ありがとうございます！修正させていただきました！これからも読んでいただけると幸いです！ (2021年3月21日 20時) (
レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
陽(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく読ませていただいています。…が、一つご指摘失礼します。宇随、ではなく、宇髄、です。直していただけるとありがたいです…細かいところをすいません。失礼しました (2021年3月21日 19時) (レス) id: 9d67b7c326 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 実弥＆サソリLoveさん» コメントありがとうございます！そう言って下さる方がいて控え目に言って最高です。（←）これからも頑張ります！ (2020年12月29日 17時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - 玄弥さん» コメントありがとうございます！更新不定期でごめんなさい、でも頑張りますので見守っていただけると嬉しいです！ (2020年12月29日 17時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - みぃむぅさん» ああ成程！納得！（←） (2020年12月29日 17時) (レス) id: 94f5b58c39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2020年12月1日 16時
