Story31:胡蝶side ページ32
台所で動く不死川さんを横目に、相沢さんの様子を見る。なにやら書いていたと思えば、頭を抱えてうーうー唸り始めた。悩んでいるのは間違いない。だけど、昨日今日ここにきて右も左も分からない私たちが出来ることは、数少ない。
それでも放っておけなくて、思わず声をかける。
「相沢さん…?どうしたんです?」
「ぁー…いえ、まぁ、明日の仕事の事でちょっと」
ははは、と力なく笑む彼女の力になりたいと思ったのは、私だけでは無かったようで。
「……何があったんだァ」
冷蔵庫、という家電製品に食料を入れ終えた不死川さんも、コタツに座り相沢さんを見つめた。私たちの視線に耐えかねたのか、頬を引っ掻きながら彼女が事情を説明してくれる。
「……という訳で、ぶっちゃけると人手不足で困っています」
「そうですか。他の従業員の人に頼む訳にはいかないのですか?」
「それが…2週間ほど前にトラブル…事件がありまして、いま無理を押して仕事をしてもらっている状態なんです。なのでこれ以上は…」
「……飲食店、だったかァ」
「はい。ご予約も入ってますから…最悪、フリーの……飛び込みのお客様にはお帰りいただくしかないんですけど…」
出来ればそれはしたくない、という相沢さんに、まぁそうですよね、と頷くことしか出来ない。
「なにか私たちにお手伝い出来ることがあればいいのですが……」
お茶を1口飲み、考える。今の私たちに出来ること。彼女の代わりに家事をする、以外に。
「……胡蝶さん、お綺麗ですよね」
「……はい?」
唐突な言葉に、目を丸くした。いきなりなんだと言うのだろう。
「物腰は柔らかいですし、笑顔も素敵。声のトーンも聴きやすくて……」
「……あの、いきなり褒めちぎられても怖いんですが……」
「不死川さん、力ありそうですよね」
「……ぁァ?」
困惑していたら、今度は不死川さんに視線を向けた相沢さん。不死川さんも、何が言いたいのか分からない、と言いたげな様子。
「ちょっと重い鉄板とか持ったって、手を痛める様なこと無さそうですし…多少暑くても体力あるから倒れなさそうですし…」
「……おい、なんなんだいきなり…」
私と同じように困惑する不死川さんと目を合わせ、もう一度彼女を見たら。
「決めました。明日、一緒にお仕事しましょう!」
「「……はぁ!?」」
(そうと決まれば善は急げ!とカラクリを弄る彼女を見ながら)
(私と不死川さんは固まった)
475人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
【鬼滅の刃】引きこもりニートしようとしたら鬼殺の剣士がいらっしゃったようで……...
【鬼滅の刃】引きこもりニートしようとしたら鬼殺の剣士がいらっしゃったようで……...
もっと見る
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
コサキ(プロフ) - ち◯こさん» あと名前変えろ。きっしょ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - ち◯こさん» お前の事違反報告したから。お前の方こそ暇人やろ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
るるる - ち◯こさん» あなたの方がおもんないで。もうやめとき虚しいから。 (2月13日 1時) (レス) id: b7b0607f35 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - コサキさん» おおっとぉ!?ご指摘ありがとうございます!修正いたしました! (2022年1月13日 22時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - 1995年は平成7年ですね。 (2022年1月13日 21時) (レス) @page12 id: beb81ab5f5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:灯霧 | 作成日時:2020年2月11日 16時