Story18 ページ19
胡蝶さん曰く。彼女は同僚たちと共に鬼舞辻無惨の拠点である無限城とやらに取り込まれた際、とある格上の鬼と対峙し、結果死亡したらしい。これは確かなことのようで、ちらりと不死川さんを見たら、気まずそうに胡蝶さんを見ていた。
と、言葉にすればこれだけなのだが、私の頭はパンクしそうだ。死んだ人間が生き返ったとでもいうのか。しかも、異世界で?
「…………はっ……、ゲホッ」
息を吐き出した、と思ったけれど、実際には吸い込んでいたらしい。途端に噎せて慌てて深呼吸をする。大丈夫ですかー?と顔を覗き込んでくる胡蝶さんに、思わず話しかけていた。
「で、も…、胡蝶さん、生きてます…。幽霊とかじゃない…」
さっき私の手をとった彼女からは、温もりを感じた。当たり前のように。そんな彼女が、故人?有り得ない。
「はい。私も自分の体温を確認しました。負ったはずの怪我もありませんでした。全ては無限城に乗り込む前のまま、です」
「なら…死んだと思ってたけど生きてた…ってことだって」
「それは有り得ねェ。胡蝶の死は、継子の栗花落カナヲが確認したァ。それに…胡蝶が死ななきゃ、あの鬼は倒せなかった」
「……なに、それ」
「あぁ、私の思惑通りになってくれた訳ですね。可能性は高かったのですが100%では無かったので…良かったです」
にこにこと、それはもう嬉しそうに笑む胡蝶さんと、それを見てあぁ、と小さく呟く不死川さんを見て。
「……住む世界が、違う…」
「はい?」
「ぁ?」
ポツリと出たのは、私の本音。
「そんなあっさり…死んだことを受け入れないでよ……!死んだんだよ……?もう、会えないってことなんだよ?」
昨日からこの異常現象に振り回されっぱなしなのは、私に限ったことじゃない。この人たちだって意味がわかんない状況に放り出されてる。
でも、不死川さんと胡蝶さんは知り合いで、少なくとも話の合う相手がいる。
私は、独りだ。
「死ぬとか殺すとか!鬼とか!意味わかんない!」
「……落ち着いてください、相沢さん」
「落ち着けない!そんなの嘘だ!アンタら演劇サークルにでも入ってるんでしょ!?なんかの罰ゲームでたまたま何も知らない他人を騙して影でコソコソ笑ってるんでしょ!?」
「ぁあ゛!?てめぇ、何言って」
「もう嫌、もう充分楽しんだよねぇ!?これ以上私で遊ばないで!さっさと出ていって!」
(それだけ言い捨てて)
(私は2階に駆け上がり)
(自室に飛び込んだ)
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コサキ(プロフ) - ち◯こさん» あと名前変えろ。きっしょ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - ち◯こさん» お前の事違反報告したから。お前の方こそ暇人やろ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
るるる - ち◯こさん» あなたの方がおもんないで。もうやめとき虚しいから。 (2月13日 1時) (レス) id: b7b0607f35 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - コサキさん» おおっとぉ!?ご指摘ありがとうございます!修正いたしました! (2022年1月13日 22時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - 1995年は平成7年ですね。 (2022年1月13日 21時) (レス) @page12 id: beb81ab5f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2020年2月11日 16時