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Story17 ページ18

数分後、ようやく硬直の解けた私をお誕生日席に座らせた胡蝶さんは、コタツに入ってさてさて、と言葉を切り出した。


「先程も言った通り、大まかなことは不死川さんから伺いました。困りましたねぇ」
「はい、全くその通りで……」
「裏付けも兼ねて、お留守の間少しお部屋を見せてもらいました。あ、貴女の自室と思われる場所は見ていませんよ」


家 探 し し た ん か い 。


まぁ気持ちは分からなくもない。いきなり見知らぬ場所に飛ばされたら、ここは何処だろうと思う。手掛かりを探すためにも色々と見て回るだろう。それにしても、少し待てば家主が戻るってぇのに……(ブツブツ)


「それでですね、こんなものを見つけました」


胡蝶がすっと取り出したのは、私が買っている音楽雑誌のバックナンバーだ。クラシック音楽をメインに活動している私は、たまに演奏会などにも出向くのでそういう情報は定期的に入手している。……あ、オーケストラのメンバーにも一応連絡した方がいいのかな、怪我のこと……。でも身の回りが落ち着くまでは休団するって言ってあるし…その頃までには治るか。


「ここ。令和、と確かに読めますね。数字で2020とも書いてあります。中を読ませてもらいましたが、読める範囲で私の知っていることは書いてありませんでした。……まぁ音楽鑑賞などは畑違いなので、それだけではなんとも言えないのですが…」
「はぁ……」
「随分と反応薄いですねー。結構苦労したんですよ?例えば中身は縦書きで私が知るように右から読むのに、横書きの文字は左から読む、なんて。最初は全く意味の無い文字の羅列だったんですから」
「あー……そう言われれば…それはその、お疲れ様です……?」
「それに外国の文字もいっぱいありました。私は医学を嗜んでいるので、なんとか読めるものもありましたけど」


医学って、嗜むものでしたっけ。そんな、お見合い現場で『ご趣味は?』『お茶とお花を少々……』みたいなノリで言われてもなぁ。


「信じ難いお話ですが、少なくともここが私たちの知っている日本の大正では無いことは、認めざるを得ないようです。それに…異世界、というのも私がいるので納得出来ます」
「へ?それはまたなんで?」
「私、死にましたから」


(にっこり笑顔で言う言葉じゃない)
(……死んだ?)

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コサキ(プロフ) - ち◯こさん» あと名前変えろ。きっしょ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - ち◯こさん» お前の事違反報告したから。お前の方こそ暇人やろ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
るるる - ち◯こさん» あなたの方がおもんないで。もうやめとき虚しいから。 (2月13日 1時) (レス) id: b7b0607f35 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - コサキさん» おおっとぉ!?ご指摘ありがとうございます!修正いたしました! (2022年1月13日 22時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - 1995年は平成7年ですね。 (2022年1月13日 21時) (レス) @page12 id: beb81ab5f5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:灯霧 | 作成日時:2020年2月11日 16時

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