【鬼滅の刃】引きこもりニートしようとしたら鬼殺の剣士がいらっしゃったようで……？【逆ハー】

Story11 ページ12

かち、かち、かち。


時計の秒針の音が、部屋に響く。え、なにこの沈黙。いたたまれない！


「……西暦は」
「へ！？」
「生まれを西暦で言えってんだ」
「1995年……」


不死川さんは履歴書を書く時に早見表が必要な人ですね。うん、あれ間違えると面倒だよね。私もバイトさんの履歴書見て間違い指摘したことあるよ、分かる分かる。

1人納得してると、なにやら深いため息。あれ、さっきもこんな感じのため息聞いたぞ？


「……俺ァ明治生まれだ」
「……pardon？」
「ぁ？」
「ワンスモア、プリィズ」
「日本語でいえ」
「この程度の英語分からないってどうなの…すみませんごめんなさい、もう一度お願いします」
「俺は、明治生まれ、だ」
「…………はぁぁああ！？」


いや、ここで素っ頓狂な声を上げた私を誰も責めはしないはずだ。言うに事欠いて明治生まれ！？


「実年齢100歳か！？」
「こんな100歳いたら怖ぇわ！」
「ほんとそれな！？怖いよマジで！え、本気で言ってんの怖いよ！そっちの方が怖いよ！なんか薬キメてる！？やだもう警察」
「呼ぶな(チャリ)」
「はい呼びませんから刀を抜かないでくださいませ」


また刀を見せつけられて平伏。仕方ないじゃん昨夜は偽モンだと思ってたけど、バッサリ掌逝ったんだよ！？あ、漢字違う。いやとにかく、今も痛みを訴える身体が、あれは本物だと言っているわけで。そりゃそんなもんで脅されたら私は抵抗も反抗もできない。誰か異常に気づいてお巡りさん呼んでくれないかなぁ……。

心中でグチグチ呟いて、体勢を立て直す。とりあえず、なんにせよ、だ。


「あの、不死川さん。1つ聞きたいことがあるんですが」
「なんだァ」
「私の認識では、東京オリンピックが開催される予定にも関わらず新型コロナウイルスが中国で発見されワーキャーしている現在は西暦2020年、年号は令和2年なわけでして。これは当然…知っている…？」
「……なに意味わかんねぇこと言ってんだ」
「まさかのご存知ない！？Youどこからここへ！？」
「それを俺も聞きてぇ」
「投げやり！The☆投げYARI！じゃあ逆に問うよ！不死川さんの中で最近あったビッグニュースって何！？」
「だから日本語で話せ」
「最近あった大きな、そして常識的な事件を教えてください！」
「ぁー……1年くらい前だが、戦争が始まったァ」
「それはどの国と？」
「独逸…だったか？」


(明治以降の独逸との戦争)
(スマホで調べるまでもない)
(そんなの、大正時代に決まってる)

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