Story7 ページ8
激痛。その意味を初めて知った。
「いったぁぁああ!!!」
「っ、おい!」
ドバッと出た血。焼け付くような痛み。右の掌に真一文字を描いたその傷は、私の思考を奪う。
「何これ痛い痛い痛い!」
「阿呆か!素手で刀持てばそうなるに決まってるだろぉが!」
これには不死川さんも驚いた模様。まぁだって私の行動、多分やっちゃいけないパターンだもんね。でもそんなことより痛い!何どうすればいいのワケワカメ!?
「やばい死ぬ死ぬ痛い痛い!」
「ぃやかましい!」
何故か怒鳴りながらも、不死川さんは懐から布っきれを出してそれを傷口に当ててくれた。っていうか財布以外にも持ち物あったんだね!?
「腕高くしろ!止血出来ねぇだろぉが!」
どこか焦った声音に、言われるがままに腕を高く上げる。視界に机の上の草履が目に入った。
「ちょ、今気づいたけどアンタ土足で人の家に入ったの!?最低!」
「ンなこと言ってる場合か!」
「そんなことでも言ってないと気が紛れんわ!救急車呼んで救急車!」
ドンドンドンドンドン!
二人して喚いていたら、いきなり物音。もうなんなの!?
「うるせぇ!いま何時だと思ってんだ!!」
あ、至極真っ当なクレームでした。多分お隣の金子さんのご主人だ。この人、根っからの昭和気質で怒らせるとマジ怖い。いつも奥さんに怒鳴りながら出かけてる。ちなみに弱点は愛犬ソラ君、コーギーだ。
「すっ、すみません!けが、してしまって!動揺してました!静かにします!」
「ったく……気をつけろ!」
ガチャン、と扉の閉まる音が聞こえてから、まだ机の上に乗り出して私の右手首をギリギリ握りしめる不死川さんを睨みつける。
「これも全部アンタのせいだかんね!(小声)」
「どう考えても自業自得だ!」
「ちょっといま注意されたばかりでしょ!声落としてよ!そして離してくれませんかねぇマジで痛いわ!(小声)」
「1人で止血出来んなら離してやる」
「出来ません止血してください」
ダラダラ流れる血を見て、思わずそう頼んでしまった。分かりゃいいんだ、見たいなドヤ顔されても嬉しくない!
でもその後、不死川さんは思いのほか優しい手つきで布を巻いて止血してくれた。だけどなんか、クラクラする。
「おい、大丈夫か?」
「だいじょばない……クラクラします…」
「チッ。貧血かァ?」
「知らん、まじ、なに、気持ち悪い…もう、無理」
「あ、おい!」
(それを最後に)
(私の意識は無くなった)
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コサキ(プロフ) - ち◯こさん» あと名前変えろ。きっしょ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - ち◯こさん» お前の事違反報告したから。お前の方こそ暇人やろ。 (2月19日 22時) (レス) id: d52feb45e3 (このIDを非表示/違反報告)
るるる - ち◯こさん» あなたの方がおもんないで。もうやめとき虚しいから。 (2月13日 1時) (レス) id: b7b0607f35 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - コサキさん» おおっとぉ!?ご指摘ありがとうございます!修正いたしました! (2022年1月13日 22時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
コサキ(プロフ) - 1995年は平成7年ですね。 (2022年1月13日 21時) (レス) @page12 id: beb81ab5f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2020年2月11日 16時