【フェイタン】蜘蛛の糸【HUNTER×HUNTER】 (ページ31)

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それから数日後、クロロがその子供を連れてきた時にはびっくりしたものだ。

『今日から仲間に入る。名前が無いそうだから、誰かつけてやって欲しいんだけど』

そう告げるクロロの横でキョロキョロと辺りを見回した彼女と目が合った瞬間、また満面の笑顔を浮かべて。

『この間の命の恩人さん！ねぇ、私貴方に名前をつけてもらいたいな！』
『……は？』
『なんだ、フェイタンと知り合いだったのか。なら丁度いいから名前を付けてやれ。本人もお前がいいみたいだしな』
『ちょ、ちょと待つね、クロロ！』

抗議虚しく笑顔で去っていったクロロの気配が無くなると、すぐにフィンクスとノブナガがフェイタンをからかいに来た。

『なんだよフェイタン！水くせぇなぁ！』
『未来の嫁さんか？かぁっ、やるねえ色男！』
『フィン…ノブナガ…死にたいか？』

ぎゃははは！と笑いながら駆け出す二人を鬼の形相で追いかけて。アジトに戻ってきたらきたで、彼女はフェイタンにまたあの笑顔を向けてきて。

『フェイタンっていうんだね！私の名前はなぁに？』
『………何故ワタシか』
『だって、助けてくれたから！』

流星街の子供とは思えないような屈託のない笑顔は、とても珍しくて。

『……適当に考えてやるから、今日は寝るね』
『ありがとう、フェイタン！』

その笑顔は、フェイタンがAという名を付けてからも変わらず、年月が経ちAがフェイタンの身長を追い越しても変わらなかった。

(まるで太陽みたいだと思た笑顔)
(…もう、見られないのか？)