story20 ページ21
「いきなり何ね」
「罠だよ！そいつは念で出来たただの人形！ターゲットじゃない！」
「…は？」
操縦席にいてなぜそんなことが分かるのかと食ってかかろうとしたフィンクスを、Aの鋭い視線が止めた。
「ソイツから念が出てる！ヘリが言うことを聞かない！」
「…お前の操縦じゃなかたか？」
「私の操縦だったら、こんな滑らかにいかないよ！ただ、海上に向かってるって言うのと…あとは私の足元に爆弾がある！」
「「な！？」」
慌ててAの足元を見ると、念で具現化されたのだろう爆弾が確かにあった。フィンクスが顔面蒼白になる。
「じゃああのデケェデジタル時計みてえなのは…時限装置！？爆弾解除なんて出来るのかよ！？」
「無理だから降りろって言ってるの！二人なら飛んでても、地上に降りられるでしょ！」
「Aはどうするね！？」
いつになく焦った声音のフェイタンに、Aが笑った。悲しそうに。
「私がヘリから降りたら、その瞬間爆発すると思う。この爆弾と私、繋がっちゃってるから」
「「なっ！？」」
言葉を失うとは、この事だろう。ローター音だけが響く中、Aが動いた。操縦席から後部へと移り、固まっている二人の襟首を引っ掴む。
「ヘリから降りない限り、時間が来るまで爆発しないと思う。だから私は、爆弾から出来る限り離れた所にいるよ。そうすれば、重症くらいでやり過ごせるかもしれない。堅もするし、きっと大丈夫」
だから、と腕に念を込めた。ハッとしたフェイタンたちが止めるも、時既に遅し。
「おいA！やめろ！」
「離すね！」
「二人共、ごめん！運が良ければまたね！」
ドンッ！と強い衝撃が二人を襲い、空へと投げ出された。なんとか着地をした時、遥か彼方の空で大きな爆発。
(A、A)
(ワタシとの約束、破るつもりか)
(許さないよ)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：灯霧
| 作成日時：2017年6月25日 15時
