story16 ページ17
パンッパンッ！
ガキィンッ！
ドォンッ！
ダダダダダダダダダダ！
凄まじい騒音で、沈んでいた意識を半ば強引に覚醒させられた。何の音だろうか、と視線を巡らせる。かろうじて見えた窓の外には、土煙が舞っていた。
(……なに？)
襲撃なのだろう、とはわかる。だが血の足りない頭は普段とは違い全く回らない。
『おい！なんで攻撃が効かねぇんだよ！？』
『落ち着け、フィンクス。…念の壁だ』
『つったってよぉ、俺の廻天(リッパーサイクロトン)やお前の俺の両手は機関銃(ダブルマシンガン)も効かねぇ念なんてありか！？』
『なにか細工があるんだろ』
聞こえてきた声に心当たりはない。それよりも、医者が来ていないことが問題だった。痛みが麻痺してきている。死ぬのか、まぁそれもいいと小さく笑った。
『……見つけたよ。神字ね』
『解読できる？』
『当然ね。ただ、少し待つね』
次に聞こえてきた声は、聞いたことのあるものだった。間違いなく数時間前まで自分を拷問していた男と、その後現れた女のものだ。
(こんな所まで追っかけてきたわけ…？幻影旅団って、随分暇人なんだな…)
どちらにせよ、もう死ぬ自分には関係ない。能力で麻酔をしようにも、まだ制限がかかったまま。念が消える気配もないのだから、死は確定だろう。
『分かたよ。少し下がるね』
男の声が聞こえて、キィンッと音がする。念の壁が崩れた瞬間、扉を破壊する音が聞こえた。
(部屋を開けている音)
(ドタドタと走り回る足音)
(私のいる寝室が開く音)
(彼らの気配が近づく中)
(私はぼやけた視界でその姿を捉えた)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2017年6月25日 15時
