story32 ページ34
結局、涼に明確な答えを出すことなく、飛影は屋敷へと向かった。その横にはのほほんとした顔で容易に付いてくる涼の姿がある。
『流石に目の前に監視対象がいて、監視をしませんでしたってのはなぁ。コエンマの事だ、どっかから見てても不思議はねぇし、そっちの方が後々面倒いんで』
あっさり同行を申し出た彼女の監視という一言にカチンときて、追いつけるなら勝手にしろと走り出したまでは良かった。
(コイツ……本当に何者だ…！)
涼しい顔で、飛影のスピードに付いてくる。身体能力だけならば、とても人間の女とは思えない。
(そう言えば、迷宮城でも空から落ちてきてかすり傷で済んでいたな…)
その服装の下は、実はかなり鍛え上げられた体躯なのか。どちらにせよ、面白くない。
「チッ」
「イライラすんなってー。うっかり人殺してみろよ、流石に執行猶予消えるぜ？」
「誰のせいだと思っていやがる…」
「へーい、私デース。…とぉ、ここだな」
随分のほほんとしている涼が、足を止めた。警備の人間妖怪、オールスターで警護を固めている。
「雑魚ばっか…面倒い」
「ならそこで黙ってろ。俺一人で十分だ」
「殺すなよ」
「知るか」
彼らには、二人が突然現れた様にしか見えなかったのだろう。あっけに取られている間に、飛影が首筋に手刀を打込む。戦闘態勢を整える暇もなく、勝負はついた。見届けた涼が、自動ドアのロックを物理的破壊という手段で開けた。
「坂下、ヘリを用意せぇ！雪菜を連れて逃げるんじゃ！氷泪石さえあればいくらでも金は」
ウィーン。
どこか間抜けな開閉音が、垂金の言葉を遮った。そこにいるのは、怒りを隠そうとしない飛影の姿。
「ひっ」
飛影が走る。雪菜を拘束していた男、そして坂下と呼ばれた男が、次の瞬間には倒れ伏していた。呆気にとられる垂金と雪菜。雪菜を庇うように彼女の前に立った飛影が、垂金を殺気混じりの瞳で睨みつける。
「残ったのは、貴様だけだ」
(うーん、あの怒りよう…)
(最悪、私が止めるかね…面倒いなぁ)
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灯霧(プロフ) - リーさん» コメントありがとうございます！お返事遅れて申し訳ございません！飛影はカッコイイですよね！私の文章で少しでも伝わったならよかったです！ (2022年6月30日 16時) (
レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
リー - 最後まで読ませていただきました‼本当に面白かったです！飛影君は本当にカッコイイです (2022年6月24日 19時) (レス) id: bae08d35f3 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - おれんじぜりーさん» コメントありがとうございます！桑ちゃんは男ですwww (2019年3月5日 16時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
おれんじぜりー - 面白かったです！確かに桑原かっこいいですよね、男らしい感じがしますw (2019年2月24日 14時) (レス) id: 89ff127a12 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - エリンギの里さん» ありがとうございます！ほんと、コメントいただくと嬉しいです！今後も亀ですが、よろしければ見守ってやってください！ (2018年2月7日 0時) (レス) id: 4638cf4153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2016年7月28日 23時
