story24 ページ26
「えー…」
何でこんな展開になったのか、と、不満を零す涼の前には、桑原と腹の傷を押さえた蔵馬がいた。
「他に方法があるか？」
「ねぇよ！あー面倒い……」
そして自分の後ろにいる飛影にがうっ！と噛み付き、ウンザリしながら前を向く。
「頼むぞ、桑原ぁ！」
「くそぅ、行ったるわい！どらぁああ！！」
半ばヤケになりながら、桑原が養殖人間向けて走り出した。その後を蔵馬、涼、飛影、そして幽助と続く。
「いいか浦飯！ぶっつけ本番、どーなっても知らねぇぞ！」
「任しとけぇ！」
「うらぁぁあああ！！」
桑原が、養殖人間を勢いではじきとばし、入口から少し離れた所で腰を据えた。そこに蔵馬が飛び乗る。そして涼。
「ぐっ、がっ、うっ」
「気張れよ和真」
二人分の重さと勢いに呻く桑原に話しかけつつ、涼は蔵馬の肩の上で衝撃に備えた。飛影が桑原の背中を蹴り、蔵馬の背中を蹴り、涼の肩に仁王立ちする。
「重っ」
「俺が一番重いっつの！！」
名付けてトーテムポール作戦(涼命名)。四人分で高さを稼ぐと同時に、助走とジャンプの勢いを使ってあの窓まで幽助が飛ぶという『名案』だった。
「これからが本番だぞ！」
「うっせ、分かってるっての！」
文字通り頭上から降ってくる飛影の声に怒鳴り返し、涼は飛影の足首をしっかりと掴んだ。同じ様に蔵馬が涼の足を掴む。
「行っくぜぇえ！！」
「うぐっ」
「くっ」
「いてっ！」
幽助が背中を踏む度にトーテムポールが揺れる。不安定な足場でそれでもバランスを取り、最後の飛影の背中を足場に、幽助が飛んだ。
「うわっちょ、チビ助さっさと！」
「五月蝿いぞ」
揺れに慌てる涼から、飛影が飛び降りた。間髪入れず、涼も蔵馬から降りる。一番上の飛影がどいてくれないと、涼もどけないのだ。重力とは恐ろしい。
「う、うおわわっ！」
ベチャッと桑原が車に轢かれたヒキガエルのようになる。その脇に着地した三人は、上を見上げた。
「幽助！」
「ここまでしてダメだったら打ち上げ花火にしてやる」
不穏な涼の言葉は、幸いにも実行される事は無かった。窓に届いたのだ。
「やったぁ！」
「桑原！蔵馬！涼！飛影！サンキュー！戻ったらなんか奢るぜ！」
「死ぬんじゃねーぞ！」
(ガッツポーズをする幽助の姿が消えて)
(養殖人間共が周りに群がってきて)
(ここからが一番面倒な作業かもしれない)
(そう思ったら、苛立ちが止まらなかった)
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灯霧(プロフ) - リーさん» コメントありがとうございます！お返事遅れて申し訳ございません！飛影はカッコイイですよね！私の文章で少しでも伝わったならよかったです！ (2022年6月30日 16時) (
レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
リー - 最後まで読ませていただきました‼本当に面白かったです！飛影君は本当にカッコイイです (2022年6月24日 19時) (レス) id: bae08d35f3 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - おれんじぜりーさん» コメントありがとうございます！桑ちゃんは男ですwww (2019年3月5日 16時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
おれんじぜりー - 面白かったです！確かに桑原かっこいいですよね、男らしい感じがしますw (2019年2月24日 14時) (レス) id: 89ff127a12 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - エリンギの里さん» ありがとうございます！ほんと、コメントいただくと嬉しいです！今後も亀ですが、よろしければ見守ってやってください！ (2018年2月7日 0時) (レス) id: 4638cf4153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯霧
| 作成日時：2016年7月28日 23時
