story13 ページ15
史上最低の食あたりで吹き飛ぶ白虎を見ながら、涼はぜぇはぁと肩で息をする桑原に歩み寄った。右手を振り上げて、思い切り落とす。
「このバカチーン!!」
がんっ!!!
「いってぇえええ!!な、何するんスか!?」
「アホ!約束を破りかけたてめぇが悪い!」
呆気に取られる三人を尻目に、涼は桑原の側に膝をついた。懐から呪符を取り出し、べちんっと額に貼り付ける。
「それとも何か?忘れたか?」
「………忘れてねぇっすよ…。スンマセン」
「分かればいい」
「お、おいおい、なんなんだよ?」
「お前さんにゃ関係ない話だ」
当然のようにあがる幽助の言葉を流して、立ち上がる。
「その呪符、持ってろ。多少は霊気を集める助けになるはずだ」
「…うす」
大人しく呪符を手にする桑原に、蔵馬たちも歩み寄ってきた。四人がまとまる外で、涼はカバンの中からピルケースを取り出した。ペットボトルに少しだけ残っている水で、ピルケースの中身を全て飲む。
(あと、二匹…)
涼には気にかかっている事があった。少なくとも今まで戦った玄武と白虎は、人を食らうタイプの妖怪だ。だが彼らは、霊界の結界で妖魔街に閉じ込められている。一日三食とは言わないが、生きるために食事は必須。
「人間じゃない、でも人間っぽいもの…」
心当たりがある分、嫌な予感がする。かつて見たそれは、おぞましいとしか言いようがないものだった。
(また、アレを見る羽目になるのか)
(そう考えただけで、嫌気がさした)
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灯霧(プロフ) - リーさん» コメントありがとうございます!お返事遅れて申し訳ございません!飛影はカッコイイですよね!私の文章で少しでも伝わったならよかったです! (2022年6月30日 16時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
リー - 最後まで読ませていただきました‼本当に面白かったです!飛影君は本当にカッコイイです (2022年6月24日 19時) (レス) id: bae08d35f3 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - おれんじぜりーさん» コメントありがとうございます!桑ちゃんは男ですwww (2019年3月5日 16時) (レス) id: 58548306cb (このIDを非表示/違反報告)
おれんじぜりー - 面白かったです!確かに桑原かっこいいですよね、男らしい感じがしますw (2019年2月24日 14時) (レス) id: 89ff127a12 (このIDを非表示/違反報告)
灯霧(プロフ) - エリンギの里さん» ありがとうございます!ほんと、コメントいただくと嬉しいです!今後も亀ですが、よろしければ見守ってやってください! (2018年2月7日 0時) (レス) id: 4638cf4153 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯霧 | 作成日時:2016年7月28日 23時