子猫 ページ39
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歩いてるうちに少しずつ強くなってく雨
近付くにつれてどんどん早歩きになる私
運び屋の仕事の途中に可愛い子をみつけたって話
雅貴からのメッセージを読んでやっと分かったの
1年前、アパートへ向かう途中に私も此処で雨宿りしてたっけ
「 お兄さん、風邪引くよ?」
それで雅貴にこうやって声掛けられたんだっけ
広斗「 A!… ふは、なに雅貴みたいな事言ってんだよ 」
「 ちょっとね、真似してみた 」
広斗「 何で此処が分かった?」
「 雅貴から聞いたの。傘持ってないと思って迎えに来た 」
広斗の足元にある小さなダンボール
ひょこっと顔を覗かせた噂の “ 可愛い子 ”
なるほど … これは通うのもわかる
「 なんかこの子、広斗に似てない?」
広斗「 は?どこが 」
「 真っ黒な毛とか、ツンデレなとことか 」
私が撫でると小さくニャーという子猫は
なんだか寝起きの広斗みたい
なんて、言ったら怒られそうだけど
広斗「 捨て猫はお前の方だったろ?」
「 広斗が拾ってくれたんだもんね?」
広斗「 こいつも拾ってやりてぇけどな… 」
広斗は“ ただでさえ1匹増えたのに ” なんて言うけど
拾ったのはアンタでしょ、と思う
広斗はそっと子猫を抱き上げると 濡れない様にとライダースの中に入れた
広斗「 雨が酷くなる前に帰るぞ 」
「 え、いいの?」
広斗「 とりあえず、な 」
傘は大きくて2人と1匹が入っても丁度いいくらい
傘を持つ手を上に上げると 少し屈んで入る広斗
片手はしっかりと子猫を抱いている
広斗「 ん、手。はやく 」
私が妬いてると思ったのか手を繋ごうと手を差し伸べる広斗
相合傘で手を繋ぐなんて ちょっとやりにくいけど
私も繋ぎたかったし、仕方ない
広斗「 雨だったから来てくれたんだろ 」
「 また風邪惹かれたら困るもん 」
広斗「 その時はさ、また看病してよ 」
“ あ、桃缶は絶対な ” って笑う広斗。
風邪の時はデレてくれるから許しちゃうんだよなぁ
可愛い猫ちゃんも一緒に帰ろうか、私たちの家に
新しい家族として
「 いいよ?」
振り返った途端に重なった唇
傘の中で雨の音が暫く響いていた
もう何度目かも分からない 広斗とのキスはやっぱりいつだって甘い
ごめんね子猫ちゃん、少しの間 … 我慢して?
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godhand0702(プロフ) - はい!エロいところ多めにお願いします笑笑 (2018年1月2日 0時) (レス) id: aa2994fdab (このIDを非表示/違反報告)
えびちゃん(プロフ) - godhand0702さん» ありがとうございます!ノロノロ更新ですが頑張ります! (2017年12月31日 1時) (レス) id: 88c81ce664 (このIDを非表示/違反報告)
godhand0702(プロフ) - もう最高です!!頑張って下さい!! (2017年12月31日 0時) (レス) id: aa2994fdab (このIDを非表示/違反報告)
izumi(プロフ) - ケーキ買いに行ってる雅貴が家に帰ってきたら広斗たちがイチャイチャしてるとこに遭遇しちゃうみたいなお話見たいです! (2017年12月24日 20時) (レス) id: 9661676326 (このIDを非表示/違反報告)
matoi6080(プロフ) - すごく面白くてドキドキしました!更新待ってます! (2017年12月4日 17時) (レス) id: b52810b84d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えびちゃん | 作成日時:2017年8月16日 16時