( 続 ) - RAINY BLUE - season2

恩人 ページ28

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「 広斗大丈夫なの … ？怪我は？」


広斗「 大丈夫。西郷が庇ってくれた 」





部下、だろうか。
男の人が西郷さんに応急処置をしている

敵だと思っていたのに 広斗の事守ってくれたなんて

まるで “ 命の恩人 ”だ





部下「 これが一先ず出来る、応急処置です 」


西郷「 あぁ、構わん … しかし痛えな 」





部下の人が “ 彼女に感謝して下さいよ ” なんて
私を指差してそう言った

私はただ、道具を持って駆け付けた

いわば猫型ロボットのような物なのに






「 西郷さん … 広斗の事庇ってくれて、ありがとうございます 」


西郷「 … あぁ、死なれちゃ困るからな。ところで君は誰だ？ 妹いるなんて聞いてねぇぞ、雨宮 」






… また妹に間違えられた。これで何度目よ

まぁ今回はこの怪我に免じて許してあげる

雅貴は“ 義理の妹になる予定の子です ”とか笑いながら言ってるし






琥珀「 でもこのまま此処に居たらまずい、雨宮。」


広斗「 あぁ、わかってる 」






“ ちょっと来い ” なんて私の腕を引っ張って
広斗に倉庫の奥へと連れて行かれる

倉庫は冷たくて 寒くて広斗の吐く息が白い








広斗「 何来てんだよ、馬鹿 」


「 ごめん … でも気付いたら家飛び出してた 」


広斗「 どうやって来た？」


「 ルードの人にバイク乗せてもらって … 」







“ ルード…？” と眉間に皺を寄せる彼

だから私が “ タケシって人が乗せて来てくれた ” と付け足すと、頭を掻いて溜息をつく





広斗「 何他の男とニケツしてんだよ 」


「 えぇ … だってたまたま！」


広斗「 もういい、黙れ 」





冷え切ったのか 広斗の唇は柔らかくて冷たい

怒った時に不意にキスしてくるのは広斗のクセ

いつも 私に反論させてくれないんだから





「 ん … っ 」







頰両手で包まれて 額をこつん、と合わせると

鼻と鼻が触れ合うほどの距離









広斗「 帰ったらぜってーお仕置きな 」


「 ん … 元気で帰って来なきゃ ヤダから 」



広斗「 何、そんなにお仕置きされたいのかよ 」


「 違うしバカ 」







不意に絡まる視線

2度目の口づけ








広斗「 お前は此処にいるべきじゃない 」


「 ん … すぐ帰るから 」


広斗「 あ、俺以外のバイク禁止な。」







それから私は 西郷さんが「 迷子の女の子がいる 」とか

警察の人に上手いこと言ってくれたおかげで

帰りはパトカーで無事に帰宅した










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