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ステージに上がった瀬戸は、舞台裏でのことが夢だったんじゃないかと思うほど堂々とパフォーマンスをする。さすがだな、と思った。もともと歌唱力も申し分ないし、身体能力だって低い訳じゃない。お客さんも暖かいし、心配することなんて何もなかったのだ。
そして、僕たちオルニスの曲の順番がやってきた。舞台袖でバシッと少し強めに瀬戸の背中を叩く。瀬戸は僕の目を見て力強く頷いた。ステージへ走る。ライティングがオルニスの色に変わると、客席から歓声が上がった。僕も瀬戸も精一杯パフォーマンスをする。
間奏が流れた。この後、お互いにセリフを言ったら瀬戸のソロの落ちサビだ。パッと向かい合う。目が合った瀬戸はとても勝気な顔をしていて、まさに「鷹野マコト」だった。
『ミコトの声、俺は大好きだ』
リハとは違うセリフを瀬戸は言う。そんな瀬戸に引っ張られるように、僕の口から言葉が溢れた。
江口「ありがとう、僕の神様」
僕が言ったのもリハとは違う言葉だった。その瞬間、瀬戸は少し驚いた顔をして、そのままボロボロと泣き出す。「まずい」直感的にそう思い、僕は瀬戸に駆け寄るとその肩を支えながら瀬戸の代わりに落ちサビを歌った。
最後は何とか持ち直したものの、曲が終わって舞台裏に戻ると、瀬戸は土下座せんばかりに僕に謝り倒す。
『本当すいませんでした』
江口「大丈夫、大丈夫。お客さん盛り上がってたし」
実は、同じシチュエーションではないけれど、「ほしうた」本編の最終話、ライブシーンで歌えなくなったマコトをミコトがフォローするシーンがあったのだ。それを彷彿とさせたらしく、今回のトラブルは結果的にいい演出となった。
あの瞬間、瀬戸には「鷹野マコト」が降りてきたのだと思う。僕はその瀬戸の演技に乗っかっただけだ。
最初はただ瀬戸のことを可愛いと思っていた。だけど、今回のことで瀬戸Aのポテンシャルの高さを感じた僕は、女性としてだけではなく、声優としても益々引き込まれるのだった。
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ちとせまる(プロフ) - サチさん» サチ様 コメントありがとうございます。励みになります。亀更新ではありますが、また読んでいただけたら幸いです！ (2020年5月30日 11時) (
レス) id: 522d20a6cd (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 初めてコメントします。楽しく読ませて頂いてます。続きも楽しみにしてます(^^)頑張って下さいね！ (2020年5月28日 21時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
ちとせまる(プロフ) - 七海さん» 七海様 コメントありがとうございます。なんと！作者が忘れておりました(汗)瀬戸ちゃんごめん・・・。 (2020年3月9日 14時) (レス) id: 522d20a6cd (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 今日たまたま見始めたら夢主ちゃんがお誕生日という奇跡！w全く関係ないけど、夢主ちゃんお誕生日おめでとう！w (2020年3月9日 10時) (レス) id: 9795adedef (このIDを非表示/違反報告)
りさち(プロフ) - ちとせまるさん» いくらでも待ちます！同じ良平さん推しなんですか？！良かったらボードに書き込みをしてきたのでそちらでぜひお話しましょう！よろしくお願いします！ (2020年2月1日 13時) (レス) id: 41b914f6ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせまる | 作成日時：2019年12月20日 14時
