はじめてのキス ページ30
ご飯の帰り、拓也さんを家まで送る。現場が別なのに食事誘われたから驚いた。付き合っているのだから、不思議なことではないんだろうけど、今までそんなのとがなかったから・・・。
『裏に着けたのでいいですか？』
江口「え？ああ・・・うん、お願い」
やっぱり、今日の拓也さんはどこか様子がおかしい。
『本当に、なんとなくですか？』
江口「何が？」
『本当に今日、何もなかったです？』
江口「何もないよ」
拓也さんのその返答が私を不安にさせる。何か仕事で嫌なことでもあったのだろうか？それとも私が何かしてしまったのだろうか？心がざわざわして、無意識に髪を耳にかけ、ピアスに触れる。
江口「A」
『はい』
江口「キスしていい？」
『・・・はい？』
江口「あ、やっぱ今のなし！ごめん！」
『いやいやいや大丈夫です！キスしたいです！』
江口「え？」
何言ってるんだ私は！！！
拓也さんが出てきた言葉があまりに想定外すぎて、完全にテンパってしまった。
『すいませんすいません』
慌てる私を見て、拓也さんは笑い出してしまい、もうムードとかあったもんじゃない。
江口「こっち向いて」
ひとしきり笑った拓也さんが優しい声で言う。覚悟を決めてぎゅっと目を瞑り、拓也さんの方を向いた。そうしてから、失敗した、と思う。生娘でもあるまいし、なんてウブな反応をしているんだ。今時、高校生でももっと余裕がある。
拓也さんの大きな手が私に頰に触れる。それだけで心臓が高鳴り、頭の中は真っ白になった。本当に！生娘でもないのに！ほんの僅かな時間のはずなのに、それはすごくすごく長くて。ああもうどうにでもなれ！！
ちゅ、と音がして、ゆっくり拓也さんの気配が遠ざかる。目を開けると、拓也さんはとても優しい目をしていた。
江口「A、めっちゃ可愛い」
真っ直ぐにそう言われて、反応に困る。
『そんな・・・』
江口「もう一回・・・いい？」
何も言わずに頷くと、再び拓也さんの暖かい手のひらが私の頰を撫でた。
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ちとせまる(プロフ) - サチさん» サチ様 コメントありがとうございます。励みになります。亀更新ではありますが、また読んでいただけたら幸いです！ (2020年5月30日 11時) (
レス) id: 522d20a6cd (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 初めてコメントします。楽しく読ませて頂いてます。続きも楽しみにしてます(^^)頑張って下さいね！ (2020年5月28日 21時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
ちとせまる(プロフ) - 七海さん» 七海様 コメントありがとうございます。なんと！作者が忘れておりました(汗)瀬戸ちゃんごめん・・・。 (2020年3月9日 14時) (レス) id: 522d20a6cd (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 今日たまたま見始めたら夢主ちゃんがお誕生日という奇跡！w全く関係ないけど、夢主ちゃんお誕生日おめでとう！w (2020年3月9日 10時) (レス) id: 9795adedef (このIDを非表示/違反報告)
りさち(プロフ) - ちとせまるさん» いくらでも待ちます！同じ良平さん推しなんですか？！良かったらボードに書き込みをしてきたのでそちらでぜひお話しましょう！よろしくお願いします！ (2020年2月1日 13時) (レス) id: 41b914f6ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせまる | 作成日時：2019年12月20日 14時
