江口さんの黒髪 ページ24
江口「おはようございまーす」
アフレコの現場で代永さんと話していると後ろから拓也さんの声が聞こえた。
代永「江口くん、おはよう」
『おはようございま・・・』
振り向いた私は、驚きのあまり手に持っていた台本や資料をバサバサと床に落とす。
『黒髪！！』
慌てて台本と資料をかき集めると、さっと代永さんの後ろに隠れる。
代永「瀬戸ちゃんどうしたの？」
江口「デジャヴかな」
と2人が笑う。他の共演者の方も「江口くん髪染めたの？」と集まってきた。それに乗じて、私はスタジオを隅へと逃げる。
やっと拓也さんの素顔を克服したのに、次は黒髪とは。スタジオの端で壁に寄りかかりながら気持ちを落ち着けるようと、深呼吸をした。
数日前に会ったときは金髪だったのに、いつの間に黒染めしたんだろう。奇抜な色も黒も似合うなんて、顔面偏差値が高いからだよなぁ。
そんなことをぼんやりと考えていたら、共演者の興味から解放された拓也さんがこちらへやって来る。そういえば、この壁際の椅子は拓也さんの指定席だった。
拓也さんはいつもの場所に座り台本を取り出すと、それに目を落とす。その姿を横目で盗み見た。頻繁に髪色を変えているのに、あまり痛んでいるように見えないなぁ。私はある衝動に駆られる。
『触っていいですか？』
江口「何を？！」
『あ、髪の毛です(笑)」
江口「ええ・・・いいけど・・・」
拓也さんは困惑しながらも大人しく私に頭を差し出してくれた。その髪に触れて、梳かすように手を動かす。しゅるしゅると髪が指の間をすり抜けていく感覚が気持ちよくて、私はその動きを繰り返した。
江口「瀬戸」
『はい』
小さく名前を呼ばれて返事をすると
江口「そろそろ恥ずかしい」
と目も合わせないで拓也さんは言う。
『あ、すいません』
パッと頭から手を離した。小首を傾げて拓也さんの顔を見ようとすれば、さっと逸らされる。これは・・・(笑)
そこへ代永さんがやってきた。
代永「何イチャついてるのー？」
『違いますよ。江口さんの髪の毛触らせて貰ってたんです』
代永「違わないじゃん(笑)」
そういえば、どこかで【背の高い男性は頭を撫でられることに慣れていないので、その行為に弱い】って読んだ気がする。さっきの拓也さん可愛かったな・・・。
振り向くと「俺も触らせて」と言った代永さんに、犬のように撫で回されている拓也さんが「ちょっとぉぉぉぉぉ」と悲鳴をあげていた。
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ちとせまる(プロフ) - サチさん» サチ様 コメントありがとうございます。励みになります。亀更新ではありますが、また読んでいただけたら幸いです！ (2020年5月30日 11時) (
レス) id: 522d20a6cd (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 初めてコメントします。楽しく読ませて頂いてます。続きも楽しみにしてます(^^)頑張って下さいね！ (2020年5月28日 21時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
ちとせまる(プロフ) - 七海さん» 七海様 コメントありがとうございます。なんと！作者が忘れておりました(汗)瀬戸ちゃんごめん・・・。 (2020年3月9日 14時) (レス) id: 522d20a6cd (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - 今日たまたま見始めたら夢主ちゃんがお誕生日という奇跡！w全く関係ないけど、夢主ちゃんお誕生日おめでとう！w (2020年3月9日 10時) (レス) id: 9795adedef (このIDを非表示/違反報告)
りさち(プロフ) - ちとせまるさん» いくらでも待ちます！同じ良平さん推しなんですか？！良かったらボードに書き込みをしてきたのでそちらでぜひお話しましょう！よろしくお願いします！ (2020年2月1日 13時) (レス) id: 41b914f6ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせまる | 作成日時：2019年12月20日 14時
