高校教師～Omi～4 (ページ31)

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そもそも、あんたのせいでこんな小芝居してんでしょうが！

不機嫌な臣先生に睨まれてそっぽを向く。

そして生徒達と別れて、そのままダブルデート。

『Aちゃん、コート見たいんでしょ？』

『うん！行ってくる』

不機嫌な臣先生とムスッとしている私に、隆二さんが気を利かせて声をかけてくれたの。

私は一人でお目当てのショップに向かった。

冬はどうしても暗い色になりがちだから
ここは敢えて明るい色で……
と、言いたいとこなんだけど

う～ん。
見つけた水色のコート
とっても綺麗な色なんだけど寒そうに見えるよね～

とってもお似合いですよー

ショップのお姉さんが、わざとらしいぐらいの笑顔でオススメしてくる。

う～ん。

鏡の前で悩むこと数分

『お前にはこっちの方が似合う』

隣から臣先生がクリーム色のコートを差し出した。

てか、付いてきてたの？

『あぁー、そのお色もとってもお似合いですぅ』

調子のいいお姉さんに愛想笑いを返して、水色とクリーム色を交互に胸の前に当てる

あー、わけわかんなくなってきた。

『水色もいいけど、絶対こっち！
そんなに迷うならどっちも買う？』

いやー、それはムリですねー。

『２着はムリだもん。じゃあこっちにする！』

臣先生が選んでくれたクリーム色のコートを試着。

『ちょっと試着室借ります』

えっ？
コートなのに！？

驚いてる私とショップのお姉さんを無視して
臣先生は私を試着室に押し込んだ。

で、何故あなたもいるのかしら？

『なんかさー今すぐって感じ』

何言ってんの？

って聞く前に塞がれた唇。

角度を変えて、何度も何度も……

外からいかがですかぁ？って声を掛けられて
我に返った。

『うん。良かったです』

コート？

それとも

キス？

涼しい顔して試着室から出ていく臣先生の背中をぼーっと見つめた。