高校教師～Omi～4 (ページ30)

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2階をブラブラしてる臣先生達を3階から観察してる私達。

『ねぇねぇ隆二さん、ちょっとコート見てきていい？』

『は？Aちゃんが居なきゃ！俺、山根さんの顔知らねぇって(笑)』

そうなんだけど……

コート欲しいんだもん。

『えぇー！』

ガックリ項垂れた時、うちの高校の女子生徒数人が臣先生達に近付いて行くのが見えた。

『あっ！』

『えっ？』

『きたきた』

『いる？山根いる？』

隆二さん(笑)
呼び捨てになってるし……

『うん。ほら、あの一番後ろを歩いてる子』

『へぇー、まぁ綺麗な子じゃんね』

『…………………………』

『拗ねんなって(笑)Aちゃんの方が可愛いって！』

なにその取って付けたような言い草はっ！

どうせ十人並みですよ！

怒んなよ～って隆二さんが私の二の腕をツンツンしてたら、下から大きな声で呼ばれた

『隆二！』

ヘルプ要請ですかね？

臣先生のお顔、とっても怖いですけど……

ハッ！と手を引っ込めた隆二さんが下を覗き込むようにしてからわざとらしく

『あれ～臣？』

なんて言いながら下に降りるエスカレーターに乗った。

『あぁ！もも(笑)久しぶり。デート？』

『ん。コイツが見たいのあるって言うから……』

今思い出したけど、ぶちゅーってするのかな？
さすがにそれは……イヤ！！

女子生徒達は、臣先生と隆二さんの話を笑いながら聞いている。
山根さんを除いて……

『Aちゃんの彼氏？』

『えっ？まぁ……』

女子生徒に聞かれて言葉を濁す私を、山根さんがじっと見ている。
その視線に気付いた隆二さんが、私の頭に手を乗せた。

『まぁ……ってなんだよ(笑)彼氏でしょ？』

『うん』

私達のやり取りを見て、キャーキャー言ってる女子生徒と、すっごく怖い顔してる臣先生。
臣先生の隣でニヤニヤしてるももさん。

変な図式。

『Aちゃんの彼氏と臣先生がお友達で……だから先生達は仲良しなんですね！』

『『『『そうそう！』』』』

一人の女子生徒が素敵な解釈をしてくれて、大人４人で乗っかった

『桜子～、Aちゃんならともかく、こんなキレイな彼女さんいるんだから……諦めな！』

えぇーっ！
失礼じゃない？

『こらこら、俺の彼女になんて事言うんだよ(笑)
Aは世界で一番可愛いよ』

隆二さん……

隆二さんの袖口をギュッと摘まむと、臣先生にギロっと睨まれた。