高校教師～Omi～ 2 (ページ42)

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剛典

物心ついた頃から今まで、俺の周りには常に女の子がいた。

だからって遊んでやろうとかってのはなくて、どっちかというとウザイなって思ってたんだ。

彼女がいても平気で告白してきたり、誘惑しようとしてくるやつ。
ちょっと他の女の子と話したり、偶然会って一緒に帰ったり、大人数で遊んだだけなのに浮気したって騒ぐ歴代の彼女たち。

いくら違うって説明しても、勝手に勘違いして思い込みで決めつけて？いい加減にしてくれよって、大学に入ってからは決まった彼女は作ってなかったんだ。

俺が大学４年になった時。
まぁ、毎年のように新入生達にキャーキャー言われてめんどくさいし、友達からはまたかよってからかわれるし、ほんとうんざりしてた。

でも、一人の女の子だけ、他の子と反応が違ったんだ。

俺が歩く度にキャーキャー言ってる女の子達の中で、明らかに興味なさそうに携帯を見たり退屈そうにあくびしたり。

なんか興味出るじゃん。

その女の子が気になって、じっと見てみたんだけど、周りの女の子が頬っぺたを真っ赤にしてる中、その子は自分の後ろを振り返ったんだ。

いやいや、お前を見てんだって(笑)

それがAだった。

ある日、サークルに参加してたら、入り口で亜○が女の子二人と話してた。
よく見ると俺が気になってるあの子で、いつもは見学に来た子は亜○に任せるんだけど、話しかけるきっかけだと思って近付いた。

隣の女の子が勝手に自己紹介を始めても、それをちゃんと嗜めたり、俺に一切興味がないってのが新鮮だった。

『ゆっくり見学していってね』

爽やか100%で笑いかけても普通だし、俺が仲間の方に歩いてたら後ろから聞こえたんだ。

『ガンさんって？』

それ、俺だから(笑)

ここまで俺に興味ないとなると、逆に俺がお前に興味津々だわ(笑)

それからは、学内で見かけると笑いかけたり話しかけたり。
それでもAは今まで通りで…

わざと一緒に帰るように時間を合わせても気付きもしないし、お昼に誘っても態度は変わらない。

とても素直で、明るくて
ありがとうやごめんなさいがきちんと言える子
当たり前なんだけど、そこに惹かれた。

何度もデートに誘ってるのに、こっちの気持ちに気付かない鈍感さもツボだったんだ。

あんなに女という生き物がめんどくさかったのに、Aだけは違ったんだ。

いつの間にか俺はAの魅力に溺れてた。