高校教師～Omi～ 2 (ページ36)

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玄関のドアを開けると、剛典くんが鼻をクンクンさせている。
こうやってると、ほんと仔犬みたい(笑)

『剛典くん、先にお風呂入って？その間に仕上げとく』

『あぁ、そうしよっかな』

剛典くんは右手でネクタイを緩めながら、左手で私の髪をツルンと撫でて浴室に向かった。

何年一緒にいても、こうして優しく愛情を与えてくれて、私って幸せ者だなって思うの。

浸ってる場合じゃなかった！

冷蔵庫から卵液を取り出して、熱したフライパンに流し込む。
ジューっといい音がして美味しそうな匂いがキッチンに広がった。

スープを温め直して、サラダはテーブルへ

チキンをお皿に取り出して、フライパンのオムレツをひっくり返す。

同時にするってほんとに難しい。
いつもバタバタしちゃうんだよね。
こういう時、ママってスゴイなっていつも思うの。

『よっ！』

掛け声をかけながらオムレツをもう一度ひっくり返して…

うん、キレイに焼けてる！

すべての料理をテーブルに並べてカトラリーをセットし終えたところで剛典くんがお風呂から上がってきた

『えぇーっ！なになに？どうしたの？(笑)』

『実習の間、お惣菜とかレトルトばっかだったじゃん？悪かったなぁーって思って…頑張りましたっ！』

えへへ…と笑う私を剛典くんはギュッと抱きしめてくれる。

『食べよ？冷めちゃう』

『うん。座ろっか？』

向かい合わせに座って、一緒に手を合わせていただきます！の後、剛典くんが一口食べるのをじっと見てた。

『んまっ！チキンうまっ！』

『良かった(笑)』

剛典くんが喜んでくれたから、私も安心して箸をつけた。