高校教師～Omi～ 2 (ページ28)

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すっかり興味をなくしたと思っていたのに、それから教室移動の度に

『ねぇ、どんな相談？恋愛系？彼氏となんかあった？』

登坂先生が隣でうるさい。

『そういう系じゃないですって！』

で、最終的には

『彼氏、めっちゃイケメンじゃん！ビックリしたわ(笑)なんか俺、すっげぇ睨まれたし…あれから揉めた？』

『揉めてないです。そもそも揉める理由がないですし…』

どっちかっていうと甘かったです。
絶対言いませんけどっ！

『彼女が他の男に送られてきたのに？怒んなかったの？仏様なの？(笑)』

バカにしてんの？

『剛典くんは、そんなにちっちゃい男じゃないんです！信頼しあってますからご心配なく』

つまんねぇー

って聞こえましたけど？

なんですかそれ。

お昼休みは、早々に敬ちゃんに捕まり、屋上でパンとカフェオレで一緒にランチ。

『で？臣がどうかした？なんかされた？』

『何にもされてないけど、登坂先生最近変じゃない？』

私が言うと、敬ちゃんは首を捻っている。

『あんな感じじゃなかったと思うの。優しかったけど、ドSだったし、もっと俺様だったような…今はスッゴい甘いのよね。距離近いし……昨日、送ってくださったんだけど、そん時に千尋さんと別れた理由聞かれたし…そんなの私に分かるわけないじゃん？ねぇ敬ちゃん、どう思う？』

『…………送ってもらったのか？』

『あぁ、うん。正確に言うと拉致られた感じ(笑)』

『……臣は…………いいやつだよ。それはAも分かってるじゃん。』

そうだけど……

『お前に補習してた時、素直に受けてくれて嬉しかったってよ。あれで絶対教師になろうと思ったって。だから、Aが実習生で来て嬉しいんだろ。』

敬ちゃんは遠くを見ながら笑ってた。
寂しそうな笑顔だった。

『敬ちゃん、私が先生になりたいって思ったのは敬ちゃんのおかげだよ？』

うん。知ってる。

敬ちゃんはあの頃のように私の頭をクシャクシャと撫でて屋上を出ていった。