高校教師～Omi～ 2 (ページ21)

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実習に来て２週間

そろそろ授業をやってみてもいいんじゃない？

そう言って登坂先生が私の顔を覗き込んでくる。

そう。
あの時から登坂先生は甘々なんです。
とにかく優しいし、距離が近い。

敬ちゃんは、私が高校生の時から友達みたいに接してて、距離が近いのが当たり前だったんだけど、登坂先生とは違ったじゃん。

頭ポンポンとか
そっと肩に手を置かれたりとか

とにかくスキンシップが激しい。

思い出に変わったはずの、あの頃の想いが甦ってきそうで怖いの。

試験に向けての勉強と実習の予習もあるし、剛典くんも忙しいのが重なって、全然会えてないから余計に……

その日の帰り、堪らなく声が聞きたくなって電話をかけた。

『もしもし？どした？』

『剛典くん…ちょっと声が聞きたくなって』

しばらく間があって

『そっか(笑)電話しなくてごめんな？Aも忙しいと思ってさ』

『うん。ごめん。』

『帰り寄ろうか？遅くなるけど…』

『ううん。大丈夫。剛典くんも忙しいんでしょ？声が聞けたから大丈夫』

また連絡するよって言われて、忙しそうだし電話を切ったの。

『A先生？』

振り返ると登坂先生が立ってた。

『あ…お疲れ様です』

『お疲れ。帰んの？送ってくよ』

『あ！でも……』

有無を言わせず助手席に乗せられた。

いつも優しいのに、この時は少し強引で胸がドキッとした。

相変わらず良い香りが漂ってて、何か話さなきゃって思うのに話題が見つからなくて…

窓の外ばっかり見てた。