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あれから、私は放課後の居残りをやめた。




三年生の担任は想像以上に忙しいみたいで、部活も副顧問の先生に任せて職員室にいるぐらいだし、登坂先生にからかわれたっていうのもあるから。




塾の固定日以外は、塾の自主学習室に行く事にしたんだ。





冬休みも大晦日と三が日以外は塾だったし、三学期の始業式から1週間が過ぎると学校も自由登校になった。




つまり、登坂先生に全然会ってないってこと。





好きなのやめるって思ったけど、そんなに簡単にやめれるわけなくて
部活をしている時間にふらっと学校に行って、○○ドのフェンスの外からストーカーみたいに走ってる登坂先生を眺めてニヤニヤして気分転換してたんだ。







第1志望の受験前日、夜にわざわざ敬ちゃんが家に来てくれて「頑張れよ」ってお守りをくれた。
翌日、ペンダント代わりに首からぶら下げて、試験の間もギュッと握りしめてなんとか終わった。





『何時になってもいいから……』





試験が終わったら顔見せろって、昨日敬ちゃんに言われたから、日の暮れた道を学校に向かって歩いた。





そろそろと職員室のドアを開けると、誰も居なくて
あれっ?と思ってると後ろから声をかけられた。





『誰?』





振り返ると登坂先生が立ってた。




『高橋さん。敬浩先生なら英語課準備室にいるよ?』





私は黙って頭を下げて立ち去ろうとした。





『ねぇ、高橋さん 俺の事嫌い?』





『え?』





『いや……なんか避けられてるっていうか……何かしたかな?俺…』





『べつに……』





そのまま走って英語課準備室に向かった。




突然そんな事を言われてびっくりして、全然可愛くない言い方しちゃって


ただの生徒から可愛げない生徒になっちゃった。




そう思うと涙が出てきて、前から歩いてきた敬ちゃんが駆け寄ってきて、抱きしめられた。

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作者名:花梨 | 作成日時:2017年10月18日 6時

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