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たったそれくらいの事で…




大人は笑うかもしれない。





でも、高校2年生の私にはそれはそれは大きな出来事で…




それから冬休みが終わるまで「勉強」と称して自分の部屋に引きこもった。






『明けましておめでとう』





3学期が始まって、あちこちで新年の挨拶が聞こえる。




敬ちゃんが教壇に立って3学期にある行事やテストの話をしてるけど何にも耳に入ってこない。





『さよーならー』






皆がぞろぞろと教室を出て行って、あ…終わってたんだって気付くくらい。




心配顔の敬ちゃんが私の前の席に座った。





『あれ?冬休みで戻っちゃった?やっぱり俺と勉強してれば良かったんじゃない?』





『うん。ほんとそう…塾なんて行かなきゃ良かった』





敬ちゃんは泣きそうな私を泣きそうな顔で見つめてた。





『敬ちゃん、好きな人いる?』





『俺?うん。いるよ』





『両思い?』





『片思い』




『そっか…片思いって辛いよね。ね、やめれる方法あるかな?』




『さぁ?分かってたらやめてるよね』





だよねー。




会わなきゃ忘れるって思ってたのに
ふとした時に思い出したり
こないだみたいに会っちゃったり





『うまくいかないね』





『まぁ、恋なんてそんなもんだろ』





敬ちゃんが悟ったみたいな事を言って、ふたりで「フフフ」と笑った。

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作者名:花梨 | 作成日時:2017年10月18日 6時

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