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夜は恒例というかなんというか……
告白ラッシュで、鈴木君が成美ちゃんを呼びに来て、皆でニヤニヤしながら見送って……
私だけぼっちじゃんってやさぐれてたら、部屋の入り口に見たことあるけど、名前も知らない男の子が立ってた。
今度は誰だろって、やさぐれてるわりに興味津々で部屋のなかに残ってる女子を見渡した。
『A 呼ばれてるよ』
『私?』
「ほら!早く!」って、お節介のアイちゃんに引っ張られて外に引きずり出された。
1階のロビーの隅っこに連れてかれたけど、どうしても名前が分からない。
『あの……俺、3組の吉田陵って言うんだけど…』
『吉田くん…?』
『1年の時から高橋さんの事が好きで…付き合ってくれないかな?』
今、はじめて名前知ったんですけど…
話したこともないのに好きになる意味が分からない。
それに…
『ごめんね。私 好きな人いるから…』
吉田君は「そう…なんだ。まぁ、知ってたけど…」って戻って行った。
知ってたってどういう事?
人生ではじめて告白された私は、てっちゃん先生好きを公言してた事も忘れて一人でテンパッた。
物音がして振り返ったら…
『敬ちゃん盗み聞き?趣味悪くない?』
いつもの敬ちゃんじゃなくて、真剣な顔した敬ちゃんがゆっくり近付いて来て思わず後退った。
『告白されてたじゃん(笑)』
そう言って笑った敬ちゃんは、いつもの敬ちゃんで、見間違えたのかなって思った。
『A 好きな人いんの?』
二人で階段に並んで座った。
『うん。』
『どんなやつ?』
『どんなって……優しい人……』
『……で?告白とかしないの?』
敬ちゃん、しつこいな……
『…んー、無理かなぁ………先生だから……』
しばらく黙ってた敬ちゃんが「もしかして」って言ってド○○キした。
『……………俺?』
『違う』
『即答かよっ(笑)』
そう笑う敬ちゃんの笑顔がぎこちないことに気付かなかった。
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作者名:花梨 | 作成日時:2017年10月18日 6時