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ノートのとり方も、単語の覚え方も、構文の覚え方も……




全部教えてもらって、もう放課後の補習は必要ないんじゃないかなって思ってた。




だって、あとは自分が頑張るだけでしょ?




でも、あの時間がなくなったら、私と登坂先生は特に関わることもなくなるし……




登坂先生が出してくれる宿題を口実に毎日放課後残ってた。









来週の水曜日
登坂先生の実習が終わる。






学校が休みの土曜日、自宅から結構離れた大型ショッピングモールにやって来た。




高校生だから大した物は買えないんだけど、お世話になったし、忘れないでっていう願いも込めて何かプレゼントしようと思って…




何がいいかなって考えていて気付いた。
私、登坂先生のこと何にも知らない。


趣味も
血液型も
好きな色も
好きな食べ物も




グルグル歩き回って、登坂先生に使ってもらえるようにって、ハンカチとネクタイに決めた。




見た感じからして安いものはダメだしって選んでたら思ってたよりも高くなって
お小遣いが飛んでいっちゃって、いろんな意味で泣きそうになりながら出口に向かった。






『あっ!オミ 見て?これ、可愛くない?』






オミ?





声がした方を見ると、登坂先生と女の人が並んでアクセサリーを見ていた。





登坂先生は見たこともないぐらいニコニコしてて、私だけ時が止まったみたいに登坂先生を見つめたまま動けなかった。






視線に気付いたのか登坂先生がゆっくりこっちを見て驚いた顔をしている。






好きな人が好きな人とデートしてて。
そこで「こんにちは」って挨拶出来るほど大人じゃない私は、登坂先生が一歩こちらに踏み出したのと同じタイミングで頭を下げて立ち去った。

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作者名:花梨 | 作成日時:2017年10月18日 6時

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