HiGH&LOW 〈花屋の女の子〉 (ページ4)

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「ふぅ～、1人で働くのは大変って思ってたけど思ったより大丈夫そう！あまりお客様来ないし！」

お客が来ないのはお店で働くものとして喜んでいいものではないが、1人で働くには限度があるので今の大変さが丁度良いのかもしれない。

「そろそろお昼ご飯にしようかな」

お腹が減ったAはお店を閉めて店の上にある自分の部屋に向かった。

ガチャ

冷蔵庫を開けて見ると何も入っていなかった。

(そういえば、昨日全部使ったんだった)

「たまには外で食べるのもいいわよね！」

Aはお店の服からラフな格好に着替え、外に出た。

外で食べようと思ったけど、まだ来てばかりのAにはここの地図が頭に入ってるわけもなく、ただ歩いていた。

しばらく歩いていると少し離れたところで重そうな荷物を運んでいる女性が見えた。

「あの、持ちましょうか？」

？「…あんた誰？」

女性は訝しむようにこっちを見て来た。

「あ、あの！怪しい者じゃないです！重そうだなって思って…」

私は急に話しかけたことを後悔しながらも自分が怪しい者じゃないと必死に伝える。

?「あはははは！あなた、おもしろいね」

わ、笑われちゃった。

私は少し恥ずかしくなってうつむいた。

？「ごめんね、見たことない顔だなって思っただけ。私の名前はナオミ」

笑うのをやめて可愛らしい笑顔で名前を教えてくれた。ナオミさんというらしい。

「私は水瀬Aです。最近ここに引っ越してばかりなんです。」

ナ「そっか！わざわざこんなとこに引っ越してくるなんてあんた変わりもんだね」

「おばあちゃんの代わりに花屋さんで働き始めたんです。」

私達はナオミさんが持っていた荷物を半分ずつ持ちながら歩きはじめた。

ナ「え！あそこの花屋さんてばあちゃんが働いてなかった？」

「はい、実はおばあちゃんが腰を痛めて倒れてしまったので私が代わりに」

ナ「じゃあAはミキばあちゃんの孫か～」

「おばあちゃんを知ってるんですか？」

おばあちゃんのお知り合いの方なのかなと思っていたら、

ナ「私ITOKANっていう店やってんだ。たまには店に花を添えんのもいいかな～って思ったときによく注文する」

「常連様だったんですね。」

Aはクスクスと笑うと、ナオミも「まあね！」といいながらクスクス笑った。