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こんなことで怪我してたら受け身を教えてもらった意味がないなぁ……やっぱり体が鈍っちゃったのかな？
私が痛みで立てないでいると、自販機で買ったコーヒーをポケットに入れ、雨宮さんが帰ろうとしていた。
チ「あの、助けてくれてありがとうございました！」
チハルくんは慌てて頭を下げてお礼を言う。
「わ、私も！ありがとうございました！」
座ったまま私もお礼をする。
広「別にてめぇらを助けたつもりはねぇよ」
どうでもいいみたいな顔する雨宮、何かあったのかこっちに戻ってくる。
広「足」
「へっ？」
広「足、痛むんだろ？」
雨宮さんは、しゃがんで私と同じ目線に合わせてくれた。
「送ってってやるよ」
「だ、大丈夫ですよ！これ以上迷惑をかけれません！」
私はさっき助けてくれただけで十分だった。これ以上迷惑はかけられない。
広「立てねぇくせに何言ってんだよ…………よっと！」
「っ！？」
なに？え、お姫様抱っこされてる！？？
私は初めてのお姫様抱っこに動揺して身動きできなかった。
チ「このまま送るんすか？！」
広「っんなわけねぇだろ、あっちにバイクあんだよ」
チ「で、ですよね…じゃあAのこと頼みます！」
チハルくんはそう言うと一礼してから帰っていった。
ど、どうしよう。
沈黙が続く中、雨宮さんがそれを破ってくれた。
広「じゃあ、行くぞ、……そういうやあんた名前は？」
雨宮さんは歩きながらながら私に問いかけてきた。
「水瀬Aです、…すいません雨宮さんに何度もご迷惑をかけて」
広「別に、女がそんなこと気にすんな。…そういやなんで俺の名前知ってんの？」
「えっと、さっきの男の人達がそう呼んでいたので」
広「あぁ、確かに笑」
雨宮さんはそういうと口角を少し上げてふっと笑った。
それを至近距離で見ていた私は顔が赤くになる。
雨宮さんよく見るとかっこいいな、私の足のことにも気づいてくれたし…///
怖い人かと思ったけど、とっても優しい人。
広「なぁ」
「はい？」
広「名前で呼べよ」
雨宮さんはそう言いながら私をバイクに乗せる。
「えっと、広斗さん？」
広「さんはいらねぇ」
「広斗…」
ん、と言いながら私の頭にヘルメットを乗せる広斗。どことなく耳が赤い気がする…？
広斗がバイクに跨り、私の腕を自分のお腹に回す。
広「しっかり掴まってろ」
私はぎゅっと掴むとブオォンッ！！と音を立てて走り出した。
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作者名：ぷーちゃん | 作成日時：2017年12月7日 22時
