【HQ】君が傷に染みて２ (ページ14)

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14.夏の終わりページ14

そんなこんなで、キツい夏休みの練習や課題を終えて。

夏休みが終わり、二学期が始まると、すぐに体育祭の練習が始まる。

今日は体育祭の種目決めだ。

「じゃあー、選抜リレー出てくれる人挙手！」

学級委員が候補を募る。まぁ出るわけないよね。

兎「俺！勿論アンカーな！」

そう思ってたのに、それを覆すのが木兎だ。

「いや、アンカーは三年な！」

周りからのツッコミが入る。

あ、しょぼくれた。

『アンカーよりも二年の走るコースの方が生徒から見てもらえるからいいんじゃない？』

兎「そうなのか？！なら俺アンカーやめる！」

とりあえずテンションが戻ったようで何よりだ。

兎「なぁ、女子のリッコーホシャいねぇんだろ？！
なら、Aにしようぜ！」

『え』

「いいじゃん！なんたってバスケ部だし！」

「そうだよ、うちのクラス殆ど文化部女子だしねー！」

木兎の発言でクラスが一体感を持ち始める。これはよくない流れだ。

「Aさん、じゃあお願いしてもいいかな？」

仕舞いには学級委員からのお願い。もうダメだ。私の頭の中で終了のゴングが鳴り響いた。

『…はい。』

腹を括って返事をするしかない。だけど木兎を睨むことは忘れない。

木兎は私の視線に気づいたようでやばい！って顔をして顔の前で手を合わせてた。遅いんだよ！

「じゃあ次ー、パン食い競争！」

白「はーい。」

真っ直ぐに手が上がる。これはもう言わずともわかった。

「他に候補者いないみたいだし白福さんに決定します！」

だよね！雪絵ちゃんだよね！

食べるスピードを考えても誰よりも優勝の可能性があるよ。

「なら最後に応援団員です！二年は男女３名ずつね！」

応援合戦は体育祭でも人気のプログラムで、男子が学ランを着ることもあり、カッコよさが倍増する。

その為、学ランを着た応援団員は写真撮影の行列ができることが多い。

特に男バレは県内TOP3の強豪校の為、いつもは話しかけられないけど、この行事に乗っかって！って女子が相次ぐ。

去年の木兎は凄かった。一年にしてレギュラーを勝ち取り、試合で誰よりも目立っていたため、同級生から先輩まで数多くの女子生徒にツーショットを頼まれていた。