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赤葦と別れて、部室に戻る途中だった。
兎「Aー!」
木兎が突進してくる。未遂だけど。
兎「ほらよ!」
木兎から渡されたものはフクロウの、なんとなく赤葦と似ている無気力そうなぬいぐるみだ。サイズもちょうど良い。
兎「これ、白福と俺からの動物園のお土産な!」
ニカッと眩しい笑顔。誰も赤葦に似てるの選べなんて言ってないのに。無意識か、意図的か。
でも、
『嬉しいや。ありがとうね!』
兎「おうよ!」
兎『大切にするね。一緒に寝る!』
合宿中に赤葦と会えないのも、これで我慢できそうだ。
兎「なぁなぁー、俺お盆明けから合宿なんだぜー?」
『みたいね。更に上手くなって帰ってきてね?』
兎「とーぜんっ!」
じゃ、俺は行くな!と、嵐のように帰っていった。
無邪気な、バレーに真摯な、木兎という人柄に私は心底憧れている。
部室に戻ろうって思ってたけど、良いこと思いついた!
体育館に戻って、バスケットボールを取り出す。
ハーフコートあたりにバスケットボールを置き、隣にはお土産のフクロウ。バスケットゴールをぼやかして写真を撮る。
『よし、上出来だ!』
思わず頬が緩む。LINEのプロフィール画像はこれに変えようっと。
写真撮影も終わったので、戸締りをして部室に戻り着替える。
そして、遂に、お盆が始まる。
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作者名:...syokatsu... | 作成日時:2022年9月23日 3時