【HQ】君が傷に染みて (改訂版) (ページ24)

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念の為に鞄に入れておいたメイク落としシートが、功を成して。

私はパンダ目にならずに済んだと思う。

うん、よく考えたらあのボロボロな顔見られてたんだよね。

なんたる失態！

そして、顔面も心もスッキリした私は今、何故かバレー部と合流せずに帰路を進んでいた。

いきなりメイク落としてたら周りも驚くし、という赤葦くんの配慮でそのまま帰宅することにしたのだ。

赤「先輩、歩きですか？」

『んー、そんな遠くないし歩くつもり！

赤葦くんはバスだっけ？』

赤「いや、俺も徒歩ですよ。」

赤葦くんは、部活の後っていうのと、泣いた後っていうので疲れてる私に気づいてくれたのか、歩幅を合わせてくれる。

その上、人にぶつかりそうになる時は引っ張ってくれたり、スッと止めてくれたりする。

高２の私だけど、周りにもこんなジェントルマンはいただろうか、いやいなかった(反語)

確かに、赤葦くんは色気がある顔で、スラっとしていて、モテる容姿であるわけだけども。

それだけじゃなくて、相手をよく見て、察して、烏滸がましくない範囲で気を遣ってくれるところが、女の子には堪らないんだろうなぁ。

赤葦くんに甘えたい、頼りたいって女の子は沢山いると思う。

けど、いつでもこうやって気を張ってる赤葦くんだからこそ、赤葦くんが甘えて支えてもらえるような女の子と付き合ってほしいなぁ。

なんて、先輩っぽいことを考えながら赤葦くんと話していた。